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銀座のShinwa Galleryで、デジタルで表現される最新芸術、NFTアートのエキシビジョンが行われた。暗闇に浮かび上がるスクリーンには動くアート作品が飾られ、スマホをかざすと絵が飛び出したり、キャラクターが楽器を演奏したり。今回は、進化する芸術、NFTアートのいまに迫る。
NFTアートとは
NFTとは「Non-fungible token(非代替性トークン)」の略。これまで本物とコピーとの見分けがつきにくかった写真や画像などのデジタルデータに唯一無二性を付与する仕組みのことだ。つまり、NFTアートとは「これが本物だ」と保証されたデジタルアートのこと。
更に、取引の履歴を記録するブロックチェーンという技術により、データの改ざんや不正利用をされることがなく、より安全に作品を保持できる。NFTができたことで、これまで芸術作品として成立しにくかったデジタルアートも、より作品としての価値が高まることになった。
NFTアートの魅力
では、NFTアートの魅力は何だろうか。それはズバリ、作品の唯一性を担保しながらも、キャンバス画ではできなかったデジタルならではの表現ができるということだろう。絵自体が動いたり、スマホやタブレットなどと連動させて絵の中のキャラクターやオブジェをAR(拡張現実)で浮き出させたり。作者の込めた思いやメッセージを、よりダイレクトにオーディエンスに伝えられる。
多彩な展示・鑑賞方法
これまでの絵画や写真などのアート作品であれば、ギャラリーに作品を展示し、鑑賞するには現地に足を運ばなくてはならなかった。しかし、NFTアートはデジタルであるが故にその展示・鑑賞方法が非常に多彩だ。
まずは、額縁に入れた通常の絵画のようにディスプレイに作品を写して飾ったり、オブジェ(立体作品)やキャンバス画として飾ったものにスマホやタブレットをかざしてARの仕掛けも楽しめる。壁やプロジェクターに投影して大画面で楽しむのも面白い。
そして、これまでのアート作品と決定的に違うのが、メタバース上で展示・鑑賞できるということ。現実世界のギャラリーであれば開館時間や現地までのアクセスしやすさに縛られるところ、メタバースの場合は、24時間どこからでも実物作品を鑑賞できる。
また、メタバースならではの面白い設定で展示空間を盛り上げられるのも魅力だ。例えば、今回のエキシビジョンのメタバース上のギャラリーは、惑星に漂着した宇宙船という設定。ゲストは、宇宙船内やその周辺に点在するスペースデブリに展示された作品を自由に見て周れる。
興味深い作品が目白押し
実際に、今回展示された作品をいくつかご紹介しよう。
ORLAN の作品は、キャンバスに描かれた京劇の仮面とインタラクティブテクノロジーを組み合わせたもの。一見通常の絵画のようだが、QRコードをスキャンすると作者自身のアバターがスマホの中に現れてアクロバットをする。中国の古典演劇である京劇では、女性が演者となることが歴史的に禁じられてきた。その京劇の仮面をフェミニストである作者自身が身につけてARでパフォーマンスをするという、興味深いメッセージが込められている。
Elisa Insuaの作品。ギャラリーには賞味期限の過ぎた飴で作られたオブジェ(立体作品)が幾つか飾られている。タブレットをかざすと、オブジェがニョキニョキと伸びて高層ビルが立ち上がる。ビルは、世界で最も高級な私邸「アンティリアハウス」、世界一の高さを誇る「バージュ・カリファ」、経済力の象徴とされる「トランプタワー」の3棟だ。
過剰消費や物質主義を象徴する大量の飴と、富の象徴としての高層ビルの対比に作者なりのメッセージが込められている。
色鉛筆アーティスト、咲の作品。今回は、キャンバス版とデジタル版の両方が展示されていて、この二つを見比べるのも面白い。テーマは「視線」。普段観られることの多い絵画、そしてその中に描かれた花や蝶。この作品では、これらが逆にオーディエンスを見返してくる。NFTアートにすることで、目玉がギョロリと動いたり蝶が羽ばたいたり、キャンバスと比べて視線の表現がより強調されている。
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Shinwa ARTEX株式会社