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ANA(全日本空輸)によると、エアラインを利用する人の割合は、全世界77億人のうちわずか6%とのこと。飛行機を使わない人、使いたくても使えない人が多く存在する現状に対して、ANAは最新テクノロジーを駆使した「瞬間移動」を可能にする新サービスを、CEATEC 2019で提案していました。
移動の概念を変えるアバターロボット
タブレット搭載で車輪駆動のアバターロボット「newme」。別のタブレットからnewmeにログインすると、ロボット側のカメラで景色を見ながら移動したり、離れた場所にいる人と会話したりできるようになるのです。
「レッスン」のプログラムでは、現役のCAがnewmeを操作し、来場者とやり取りを交わす質問会が行われました。会場の騒音でお互いの声が聞き取りづらい場面もありましたが、そんな時は会話している人に近寄っていくなど、まるで人と対面しているようなコミュニケーションがとれていました。
大分県の水族館「うみたまご」に配置されたnewmeにログインすると、東京から遠く離れた水族館を鑑賞できました。ノートPCの方向キーで現地のnewmeを操作して、見たい水槽まで移動できます。
残念ながら、少し画質が良くなかったものの、向こうを訪れていた子ども連れの家族に話しかけてみると気付いてくれ、手を振ると振り返してくれるなど、ある種の瞬間移動を体験できました。
背中からロボットアームを生やした女性を発見。これはVRヘッドセットとコントローラーで遠隔操作できるウェアラブルアバターとのこと。
ログインすると、ウェアラブルアバターを背負う女性の視界が共有されます。筆者が両手を上げると、ロボットアームが同じ動きを行い、離れた場所にいる人と握手をしたり、ボールをキャッチしてコップにいれるなど、細かい芸当までこなせたのは衝撃。
つまり、感覚だけが瞬間移動したような状態のため、女性が筆者の前まで来たときは、自分がどこにいるのか混乱してしまいました。VRヘッドセットに映る自分の腕をロボットアームでつかもうとしましたが、訳が分からずなぜか乗り物酔いの気分を味わいました……。
釣り竿がついたアバターロボットは、2台1組となっていて、1台は東京の会場に、もう1台は大分県の釣り堀に設置されていました。2台の動きはリアルタイムでシンクロしており、釣りを始めてみると、魚が食いついたあとはリールが重くなり、暴れる魚の衝撃がその手に伝わります。
現地の映像は目の前のスクリーンに投影されており、没入感は抜群。実際に鯛を釣り上げた後はテンションが上がり、その手には魚を釣り上げた重みが残っていました。
階段を昇降できる二足歩行型ロボットも
会場にはほかにも、料理をこなすアバターロボットや、二足歩行型ロボットも準備されていましたが、台風の影響で当日はまだ体験できず。
説明だけうかがったところ、二足歩行型ロボットは車輪駆動のnewmeと違って、人間が行けるところならどこでも行けるとのこと。身体的なハンディキャップのある人でも、ロボットを通じて好きな場所を歩き回れるようになります。
両腕で荷物も運べるため、災害救助などにも活用できるなど、さまざまな場所で役に立てられる可能性を秘めています。
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ANA avatar-inのサービスは、空港のほか公共施設などでも展開される予定。ロボットを使って、新しい「移動」の概念を提案するANA。2020年には、「人が入ったロボット」をあちこちで見かけるようになるかもしれません。