大きなヘッドホンだがSmart Caseで持ち運びしやすい
アップルがいちから設計・開発したヘッドホンです。音響特性を重視したのでしょう、かなり大きなボディです。重量もかなりのものです。
可搬性はそこまで考慮されておらず、ヘッドバンドの折りたたみ機構などはありません。その代わりとして、ハウジング部を回転させて収納できるSmart Caseが付属します。
AirPods MAXをSmart Caseに入れると小さなハンドバッグのようになり、バッグやスーツケースの中にも入れやすくなります。また、Smart Caseに入れると即座に低消費電力モードへと切り替わるため、バッテリーを長持ちさせることができます。
側圧はやや強めだがイヤーパッドが柔らかく快適
ヘッドバンド・ハウジングアームの可動部はハウジングの伸縮・回転軸のみ。微調整が効きにくい構造で数多の頭部サイズに合わせたためか、側圧はやや強めだと感じました。
しかしイヤーパッドが柔らかく肌や髪の毛に優しくフィットするため、痛みを感じるほどではありません。またヘッドバンドのネット構造が頭頂部に優しい。重量級ヘッドホンなのに、それほどの重さを感じません。
もし装着してキツい。長時間のリスニングは難しい。と感じたときは、ハウジングを外向きに回転させるなどして調整しましょう。
ホールで聴くような丸みのある優しいサウンド
ヘッドホンやイヤホンのキャッチコピーとして「原音再生」というワードがありますが、その原音が示すのは生音そのものか、コンサートホールで響く音か、レコーディングスタジオでタイトになる音かで印象が変わります。
アップルが想定する「原音」は、たぶんラウンジで鳴るサウンドをイメージしている様子。AirPods MAXで聴くサウンドは音場があるていど広く、音のフォーカスはややマイルド。丸みのある優しいサウンドにまとまっています。
Hi-Fiを追求したい方にとっては物足りないと感じるかもしれません。ハイレゾクオリティの音源を聞くと不満が残ります。
しかし長時間のリスニング時はこの優しさが効いてきます。低音と高音のエネルギーが強めですが、聴き疲れしにくいのです。またストリーミングの音楽を聴いた時に驚きます。高圧縮の音源でも、ひびきの成分を生かしたまま美しく鳴らしてくれるのです。
どこまでも自然なままノイズを低減するNC機能
周囲の環境音を消し去るノイズキャンセリング機能も、優しさを感じるものです。ノイズキャンセリングの精度、量も十分。最初は圧迫感を感じるほどです。実際に使ってみると轟音が渦巻く地下鉄駅ホームでも気になりません。
そのうえですばらしいと感じるのが、音楽への影響の少なさです。ノイズキャンセリング機能をONにしているとき、外音取り込みをしているときの音楽の音質差が少なく、違和感なく聴き続けられます。
今後のコンテンツ拡充を期待したい空間オーディオ
AirPods Maxに搭載された空間オーディオは、いわばホームシアターのような全方位サウンドを楽しめるもの。バーチャル的なものですが精度は高く、部屋のあちこちにスピーカーを設置しなくても映画コンテンツの臨場感が大幅にアップします。
同じ機能はAirPods Proにも搭載されていますが、感じ取れる空間の広さはAirPods Maxのほうが上です。
現在は、Apple TV+などで配信されている一部の映像コンテンツのみが対応しておりますが、今後映像やゲーム、音楽コンテンツが増えていけば、他のヘッドホンではなくAirPods Maxを選ぶ強い理由となるでしょう。
複数のAppleデバイスでの使用感が最高にいい。普段は無線で使用しているがデバイスの切り替えを意識せずに使えます。