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福岡県の新門司港と神奈川県の横須賀港を結ぶ東京九州フェリーは、個室を中心とした客室と充実した船内設備、そしてバラエティ豊かなレストランのメニューから、2021年(令和3年)の就航以来高い人気を誇る長距離定期航路。ちょっとしたクルーズ気分に浸れる、魅力あふれる船旅が楽しめるのが特徴だ。
門司側の発着港である新門司港へは、JR小倉駅北口から連絡バスが運行しており、所要50分ほどで新門司フェリーターミナルに到着する。就航する2隻のフェリーは全長 222.5m、旅客定員は268名の大型船で、船名の「それいゆ」「はまゆう」はそれぞれ、発着港がある市の花が由来だ。
乗船時刻になったら、エスカレーターでターミナルの3階へと向かう。チケットレスの二次元コード方式で乗船名簿の記入の必要もなく、乗船口で画面を端末にかざしていざ乗船。乗り込んだ階は船の4階にあたり、まずは前方寄りに配置された客室へと向かう。
定刻の23時55分に、「それいゆ」は新門司フェリーターミナルを出航。周防灘へ出て、夜間に豊予海峡を経て土佐湾沖へと航行していく。翌朝目が覚めるころには、周囲に室戸岬の沖合の海原が展開。
航海速力28.3ノット(時速 約50㎞ )の高速フェリーながら、揺れは比較的少なめ。外部デッキへ出てみると、周辺にうねる波と白い波濤が見られ、外海の航海らしい迫力ある眺めが壮観だ。
船内は3層吹き抜けのエントランスホールを中心に、4階から6階の各階に客室と施設が配されている。船内を散歩して回ると、ベンチやテーブルを配したフリースペースが各所に設けられ、乗客が思い思いの時間を過ごしている。
壁面や窓辺のところどころには、絵画や装飾タイル、観葉植物が飾られていて、クルーズ船のようななごみと高級感が演出されているようで心地よい。
船内では朝・昼・夜の3回の食事の機会があり、5階にあるレストラン「ルミエール」でいただける。朝食のモーニングセットは、船内で焼いたクロワッサンとバターロールにサラダ、コーヒーつき。パンはバターがたっぷりで香ばしく、ショップでも販売している人気の品だ。
眺望を楽しみながらさらにくつろぐなら、6階にある展望大浴場へ。ジェットバスを備えた湯船とサウナから、海の眺めを楽しみながらの入浴は格別なもの。屋外には洋上を見渡す露天風呂もあり、海風が涼しくつい長湯しそうに。
レストラン「ルミエール」では、発着地の九州と湘南・葉山・三浦の味覚が揃い、三崎マグロ、横須賀海軍カレーに門司港焼きカレー、佐世保レモンステーキに長崎ちゃんぽんなど、名前が知られた名物料理が目を引く。
昼食は鹿児島名物の黒豚餃子をつまみに、湯上がりの生ビールを一杯。追加した湘南シラス梅おろしそばは、シラスの甘さとシャッキリした冷そばがマッチして、さっぱりと食が進む。
秋には伊豆半島と伊豆大島の間に差し掛かる頃に日が沈み、船は夜の闇の中を航行していく。「ルミエール」での最後の食事の夕食は、門司港焼きカレーに。オーブンで焼きたての熱々で出され、甘めのルウとチーズがまろやかな味わい。
食事を終えた頃には相模湾から浦賀水道へ入り、久里浜の街の明かりや観音埼灯台の光が見えてくると、「それいゆ」の船旅もあとわずか。アメリカ海軍横須賀基地の南側を回り込むと、横須賀新港の埠頭が次第に近づいてきて、定刻の20時45分に横須賀港に着岸した。
フェリーターミナルから市街は比較的近く、京浜急行の横須賀中央駅まで徒歩15分ほど。横浜まではさらに27分、品川へは48分とフットワークがいい。
小倉〜新横浜は新幹線だと4時間20分だが、東京九州フェリーだと新門司〜横須賀はおよそ21時間弱。ゆったり流れる洋上の時間を「それいゆ」で過ごしてみたら、船旅ならではの魅力を存分に感じられるはずだ。
より詳しい動画はこちらから視聴できます。