メタバース上でリモートワークがトレンド?!ベンドの近藤さんが実践する仮想空間の活用方法

matsumura
公開: 2022-09-14

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連載

となりのMyデスク

コロナ禍を経てリモートワークが定着しましたが、オンラインだけのコミュニケーションに課題を感じている企業やビジネスパーソンの話もちらほら聞こえてきます。今話題のメタバースを活用して、リモートワークを実践している人がいると聞き取材してきました!仮想空間上で社内のちょいコミュニケーションを取り戻す、新時代の働き方を紹介します。

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今回のおとなりさんはMetaLifeを運営する近藤潔さん

株式会社ベンド代表取締役社長
近藤 潔
東京大学工学部在学中に学び系ポータルサイトを立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。事業へ集中するため、東大を休学。その後、学研にM&Aされ、2022年8月にメタバース上のコミュニケーション空間「MetaLife」をスタート。現在はMetaLifeの事業全般に関わっている。



近藤さんは東大工学部在学中に起業し、現在も休学中ながら現役東大生社長として活動しています。

東大2年生の終わりに株式会社ベンドを設立し「資格Times」と「学びTimes」をローンチし急成長させてから、学研グループにジョイン。

2022年8月にメタバース空間上のコミュニケーションツール「MetaLife」を立ち上げてからは、MetaLifeの運営に関する全ての業務に携わっているため、週7日と休み無く働いているそう。

自社でもMetaLifeを活用しながらリモートワークを取り入れている近藤さんに、メタバースを仕事に活かすコツについて伺いました

近藤さんのリモート環境をチェック

Myデスク環境一覧表

項目

内容

リモートで行う作業

MetaLifeの運営に関わる全て

リモートワーク頻度

週3日程度

PC

東大がMacを推奨しているので、仕事も学業もMacBook Proを使用

モニター

I-O DATAのモニターにMetaLifeを常時開いておく

イヤホン

AirPods

コミュニケーションツール

MetaLife、Zoom、Slack

オンラインサービス

マネーフォワード、MetaMask

MetaLifeの運営は社員ゼロで行われていて、社長の近藤さんと役員以外は学生インターンしかいない環境。

学業や就活のあるスタッフも多いので、全社的にも出社は必須ではなく、タスクベースで仕事をこなしています。

近藤さんは現役東大生ということで、大学でも使えるMacを中心に厳選されたミニマルなガジェットで働いています。

◯MacBook ProはM2搭載でメタバースでもサクサク動く
◯ディプレイは複数使いで、MetaLifeは常時開いている状態
◯自宅ではI-O DATA モニターを使用し、会社でも全社的にモニターを2~3台使う人が殆ど
◯業務効率化のために回線の強化、水分補給、静音環境を整えるようにしている

メタバースをビジネスとして事業化しながら、自社のコミュニケーションツールとしても活用している近藤さん。

2022年のバズワードとも言われるメタバースのトレンドから、これからのメタバースの使われ方。さらにはリモートワークにメタバースを取り入れるコツについても伺いました。

メタバースはリモートワークに活かせる?

MetaLifeのオフィス画面

昨今、メタバースという言葉はメディアなどでも大きく取り上げられるようになりましたが、具体的にメタバースはどのようにリモートワークに使えるのでしょうか?

近藤さんは「メタバースはオンライン上で人と人が集まれる空間と認識されているけれど、実はすでに10年以上前から存在自体はあった」と言い、メタバースは既に私たちの生活の中に存在しています。

オンラインゲームが最たる例で、仮想空間上で複数の人が集まってゲームをプレイするのは、メタバースの活用と言えるでしょう。

子供の頃からゲームで海外の友人と話しながらプレイを進めていたので、メタバースを仕事に使うことも違和感なくスムーズに使うことができました

デジタルネイティブ世代やオンラインゲームなどで仮想空間上でコンテンツを楽しんできた人であれば、仕事でもメタバースを自然に取り入れることができそうです。

オンラインオフィスは既に成熟市場

近藤さんによると「コロナ拡大と共に、2020年頃からバーチャルオフィスやオンラインコワーキングスペースのムーブメントが活発化してきた」経緯があり、仕事にオンライン上のワーキングスペースを活用する人も年々増えています。

マーケットの成熟度とあわせてサービスが続々と増えている状況を踏まえ、リモートワークでオンラインオフィスを使う上でのポイントを聞くと…

コロナでテレワークが浸透して、Zoomなどのチャットツールが一般的になったけれど、ちょっとしたコミュニケーションが急速に失われています。
そこで、課題解決や業務効率の改善といった観点から、どのオンラインオフィスを使うか、選んでいく必要があるでしょう。

メタバースは社内コミュニケーション活性化の起爆剤

近藤さんがリモートワークと出社を組み合わせて働くことで感じているのは「ちょっとした相談や軽い会話が、大きなアイディアを生む」という体感。

ちょっとした話をしようとSlackやChatworkのようなチャットツールを使うとなると、口頭で話すと1分で済むことも、タイプしてテキストに起こすと10倍の時間がかかることも。

ZoomやGoogle Meetのようなオンライン会議システムも、全員が同じタイミングで会話をする上では不都合がありませんが、3分だけ話したい時にログインして、URLを発行して、通知をして…とやっていては、正直、面倒に感じますよね。

このようなオンラインツールは便利さの反面、気軽さが欠けてしまい、結果としてリモートワークの浸透とともに細かいコミュニケーションやちょっとしたやり取りが減っています。

これらの課題を解決しようと、近藤さんがメタバースを利用して開発したのが「MetaLife」です。

オンライン上でも通りすがりに「ちょっといい?」と口頭で声掛けすることで、リモートワークで失われつつある数分未満のコミュニケーションを活性化させて、社内交流を深めたり、アイディアの芽を生み出すのが狙いです。

仕事で使うなら二次元のメタバースがおすすめ

しかし、仕事でメタバースを使う上では注意点もあります。

一般的なオンラインゲームで使われるメタバースは三次元データで、非常に重いデータを動かすためにスペックの高いガジェットが必要になります。

さらに、仕事をする上ではPCでたくさんのタブを開いたり、複数のソフトウェアを立ち上げて同時に動作させるシーンも出てきます。

三次元の重いメタバースを仕事に使うと作業の支障になってしまうため、なるべく軽くて負荷の低い二次元のメタバースの利用がおすすめです!
MetaLifeはゲームのドット絵でオフィスやアバターが再現されているので、サクサクと動く快適さと、まるでゲームのようなワクワク感をリモートワークに取り入れることができます。
MetaLifeのオンラインセミナーの様子

MetaLifeはリリースから1ヶ月でユーザー数が6,000人を超えていて、大手企業でも内定式や懇親会など、若手のコミュニケーション活性化で利用する例が増えているそうです。

仮想空間という制限がないスペースだからこそ、使っていて楽しさや面白さを感じられるサービスを取り入れてみたいですね!

美しい仕事のカギはソフトウェアの活用

社内でスタッフと仕事をする近藤さん

近藤さんに仕事効率化について伺うと「自分にはソフトウェアで解決できるのが美徳」という価値観があるとのこと。

従来型のガジェットで仕事効率化もいいですが、現在のトレンドとしてはSaaSのようなオンラインサービスを活用するのが新世代のデキるビジネスパーソン。

では、具体的にどんなオンラインサービスを使っているのでしょうか?

連絡手段はSlackとMetaLifeを併用

自社内のコミュニケーションにもMetaLifeを使っている近藤さんですが、Slackも併用しているそう。

社内間のコミュニケーションとしてMetaLifeとSlackを使い、社外やグループ会社の人とのやり取りには他のチャットツールを使うこともあります。

社内コミュニケーションとフォーマルな社外間のやり取りは、それぞれの目的にあわせたサービスを選んで使うのがポイントです。

会議にはオンラインミーティングツールが最適解

外部の会社や人と行う会議ではZoomかGoogle Meetの利用が多いという近藤さん。

「MetaLifeは社内のチームやグループといった組織内で威力を発揮するツールなので、属性の異なる第三者とのMTGには不向き」と感じていて、社外とのオンライン会議では外部ツールを使っています。

時間と場所が決まっているような、フォーマルな会議では既存のオンラインミーティングツールの利用が適しているようです。

面倒な会計業務はマネーフォワードで処理

現在は会社の経営だけでなく、MetaLifeに関する業務はコーディング以外は全部自分でやっている近藤さん。

マーケティングの戦略策定や実行、お客様対応、法務から経理処理、そして月に数回は学研本社との定例会議と、その業務は多岐に渡ります。

その中で会計処理の強い味方になっているのがマネーフォワード。

特に経理処理では請求書から支払いに至るまで、オンラインで解決できるので便利なのだとか。

メタバースを仕事で使うならガジェットはシンプルに

ベンド社のオフィス風景

幼少期からオンラインゲームでメタバースを使ってきた近藤さんは、VRゴーグルやゲーム機など、メタバースに関わる機材を一通り試してみたそうです。

VRゴーグルも試してみたけれど…

メタバースと言うとMeta社のOculusが有名ですが、近藤さんによると「VRゴーグルは没入感が得られるので、三次元のゲームには適しています。ですが、長時間使っているとどうしても疲れやすい」のがデメリット。

社内でも使ってみたそうですが、エンターテインメントに特化したデバイスで楽しさはあるものの、仕事用としては不向きという結果になったそうです。

全社でディスプレイの複数使いを実施

「リモートワークのように日中の長い時間を作業に充てるなら、ディスプレイにこだわるのがいい」と、近藤さんの会社では全社的に大きなディスプレイを複数使いしています。

エンジニアには20万円位の高価なディスプレイを使ってもらっていますが、自分用には業務で使うのに十分な、比較的安価なディスプレイを選びました。

近藤さんの快適な仕事環境のポイントは3つ

社内会議中のベンド近藤さん

ここまで近藤さんが使っているオンラインサービスを中心に紹介してきましたが、リアルな世界で愛用しているものを聞くと「回線、水、静音」という答えが。

不安定な回線はNG!WiFi環境を整える

近藤さんの会社ではフリーWiFiやポケットWiFiへの接続を禁止していて、きちんと安定した回線で作業することを推奨しています。

オンラインサービスを常時利用しながら業務を進めているので、通信環境の良し悪しは業務効率に直結!

重いデータでもパフォーマンスを保つために、基本的に会社や自宅の安定した回線を使って仕事をしているそうです。

体調管理に欠かせない「お水」

オンライン取材中も積極的に水を飲んでいた近藤さん。

その意図を伺うと「水分補給は大切!毎日、2L以上の水分を取るようにしています」と言い、全社的にずっと座って作業していることが多いので、意識的に水分補給をするように周囲にも声掛けしています。

雑音を取り除いてストレス軽減

MetaLifeでは、PCに向かって「ちょっといい?」と声を掛けると、そのまま相手のPCから音声が聞こえてきます。

近藤さんは、”自分の声がリアルタイムに相手に届く”のがMetaLifeの魅力だと感じているので、なるべく雑音が入らない場所で仕事をしています。

カフェのような雑音が多い場所は避けて、音声がクリアに届く静かな場所を好んで使っています。
どうしても外部の音が入る場合はAirPodsを使うこともあります。

まとめ:メタバースは既に使えるツールとして拡大中

ベンド近藤さんと共同創業者

この記事ではメタバース空間でリモートワークを実践する際に、便利なサービスや使い方のポイントをMetaLifeの近藤さんに伺ってきました。

仮想空間に社員が集まることで、リモートワークの課題である社内コミュニケーションを活性化できる点は魅力ですよね!

そして、Z世代や若手世代にとってオンラインゲームは身近な存在だからこそ、社内交流の場にメタバースを活用するのはメリットがありそうです。

メタバースを流行のワードで終わらせずに、実際の業務に取り入れてみてはいかがですか?

これからもとなりのMyデスクでは、新時代の働き方や新しいリモートワークツールを紹介していくので、お楽しみに!


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