〈プロ解説〉除湿機・衣類乾燥除湿機の選び方 電気代やおすすめ商品も紹介
湿気が溜まりやすい浴室やクローゼットなどで使うことで、カビの発生やダニなどの繁殖を抑えられるのが除湿機です。
湿気の多い梅雨時や夏の一定期間だけ使用する「季節家電」の印象がまだ強いですが、部屋干しに役立つ衣類乾燥除湿機もあり、一年を通して使用する方も増えています。
そこでこの記事では、数々の家電をレビューしてきた筆者が、除湿機・衣類乾燥除湿機の選び方やおすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
まずはプロのおすすめ、除湿機3選
おすすめポイント
ワイド送風(幅約165cm)で、一度にたくさんの洗濯物を乾かせます。独自のツインルーバーがバラバラに動いて洗濯物をはためかせ、乾きムラができにくくなっています。コンプレッサーから生じる排熱をデシカント式の除湿に再利用。2つの除湿方式のメリットを最大限に活かし、より少ない消費電力を実現しています。
「ツインルーバーの動き」を紹介する公式動画がこちら
おすすめポイント
コンプレッサー式のスタンダードモデル。広角自動スイングルーバーで2段干しや丈の長い衣類でもしっかり乾燥します。天井付近から下方まで風を届けられ、タオルなどもよく乾くのが特徴です。部屋のカビを未然に防ぐカビバリア運転も人気。パワフルな風量と除湿、プラズマクラスターイオンの効果で、カラッとした気持ちよい部屋を維持できます。
おすすめポイント
生乾きの部分を狙って乾燥させる機能を搭載。光ガイドが濡れている場所を示すので、どこが乾いていないのか一目でわかります。3次元広角狙えルーバーが左右100°に可動し、ワイドに送風。赤外線・温度・湿度による3つのセンサーで、洗濯物の位置や量、状態を検知してすばやく乾かします。床付近にも風を送ることができ、上履きなどの靴を乾燥させるのに便利です。風がパワフルなので、広い部屋の除湿にも適しています。
筆者撮影
除湿機、衣類乾燥除湿機とは
除湿機は部屋の湿度を下げることができます。中でも、最近注目されているのは衣類乾燥除湿機。衣類乾燥除湿機には「衣類乾燥」というモード選択があり、洗濯物を効率的に乾かすための送風機能が備わっています。
ポイント解説
衣類乾燥除湿機は除湿しながら風を当て、短時間で洗濯物を乾かすことができるので、イヤなニオイが発生しにくいというメリットがあります。
除湿方式は3種類、メリット・デメリットは?
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コンプレッサー式
- メリット...ヒーターを使用しないため消費電力が小さく、電気代も安め
- デメリット...コンプレッサーを内蔵し、音が大きく重いものが多い
取り込んだ空気中の水分を冷却器で冷やし、結露させて水滴にします。基本的にエアコンの除湿と同じ仕組みで、水滴は水タンクに溜まっていきます。
ヒーターを使用しないため、室温の上昇が抑えられます。夏でも部屋が暑くなりにくく、快適にすごせるのが特徴です。そのぶん、寒い冬など室温が低い環境では除湿効果が下がります。
コンプレッサーを内蔵し、エアコンの室外機と同じような構造なので音が大きいことも。また、10kg以上の重いものが多く、毎回移動して使用する方は注意が必要です。
デシカント(ゼオライト)式
- メリット...ヒーターを使用するため寒い冬でもしっかり除湿できる
- デメリット...消費電力が大きく、電気代が高め
ゼオライトという吸着材に空気中の水分を吸着させる除湿方式です。ゼオライトをヒーターで熱し、吸着した水分を熱交換器に戻します。水分が水滴になり、水タンクに溜まる仕組みです。
ヒーターを使用するため、寒い冬でもしっかり除湿できます。室内干し用として一年中使用する方におすすめです。
その反面、ヒーターは消費電力が大きいので、コンプレッサー式と比較すると電気代は高め。また、室温が上昇するので、夏などに使用すると部屋が暑くなります。
ハイブリッド式
- メリット...コンプレッサー式とデシカント式を使い分けて効率よく除湿できる
- デメリット...本体価格が高め、サイズが大きく重いものが多い
ハイブリッド式はその名の通り、コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせた除湿方式です。周囲の環境にあわせて使い分け、効率よく除湿ができます。
いいとこ取りですが、本体価格は高め。また、サイズも大きく、重いものが多いので実物をしっかり確認することをおすすめします。
3種類の電気代はいくら?
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コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式の3モデルを揃えているシャープの除湿機を例に比較しました。衣類乾燥「速乾」運転時での衣類乾燥時間の総消費電力量より算出されています。
デシカント式は約2.5人分のコンパクトモデルですが、ヒーターを使用するため、電気代はやや高め。
コンプレッサー式はヒーターを使用しないため、消費電力が低く、一番省エネです。ただし、冬場など寒い部屋では除湿能力が低下するので使用する環境を選びます。
ハイブリッド式は約4.5人分と大容量の衣類乾燥に対応し、スピードも圧倒的に速く、効率よく乾かせます。本体価格は高めですが、電気代を抑えられるので、一度にたくさんの洗濯物を室内干しする方はハイブリッド式がおすすめです。
1時間あたりの消費電力(50Hz) |
衣類乾燥時間(2kg) |
衣類乾燥1回あたりの電気代 |
|
---|---|---|---|
コンプレッサー式CV-P120(乾燥容量目安:約3人分) |
275W(約7.4円) |
約100分 |
約13円 |
デシカント式CV-P60(乾燥容量目安:約2.5人分) |
510W(約14円) |
約99分(梅雨時) |
約24円(梅雨時) |
ハイブリッド式CV-PH140(乾燥容量目安:約4.5人分) |
660W(約18円) |
約64分(梅雨時) |
約20円(梅雨時) |
※一般社団法人日本電機工業会 自主基準(JEMA-HD090:2017)により測定。電力料金目安単価27円/kWh(税込)で算出。※乾燥容量目安は、約6畳・室温20℃・湿度70%の空間で乾かせる量の目安(1日1人分の洗濯物量の目安は約1.5kg)です。
除湿機の選び方、4つのポイント
石井 和美
除湿機を選ぶ際に注目したいポイントを4つご紹介します。
① 本体のサイズと重さ|移動するならキャスターと取っ手にも注目
ハイブリッド式は、コンプレッサー式とデシカント式の両方の構造を有しているため、本体サイズが大きく、15kgを超えるものもあります。その次に大きいのはコンプレッサー式で10kg前後が多いです。デシカント式は比較的小容量モデルが多く、5~7kg程度とコンパクトで軽め。
除湿機は見た目こそ空気清浄機に似ていますが、空気清浄機のような軽さではなく、ずっしりと重いのが特徴です。そのため、底部にキャスターが付いているものが多いのですが、もし使用するたびに移動するのであれば、キャスターがなめらかに動き、取っ手が持ちやすい位置にあるタイプを選んでください。
② 除湿能力|定格除湿能力をチェック
梅雨や夏場など、季節を限定するのであればコンプレッサー式で十分です。寒冷地に住んでいる方や、冬も部屋干しで使うという方には、ハイブリッド式かデシカント式をおすすめします。本体価格は高くなりますが、通年効率よく使えるハイブリッド式が最近は人気です。
除湿能力は、各モデルの仕様から定格除湿能力の欄をチェックしましょう。最上位クラスは11〜13L/日と、かなりパワフル。4~5人分の洗濯物を一度に乾燥させることができます。
③ タンク容量|大きいと水捨ての回数が少なく便利
筆者撮影
タンク容量は大きいほど溜めておける水の量が増えるので、大きいタイプを選ぶと水捨ての回数を減らせます。ただ、そのぶん一回の持ち運びは重くなるため注意しましょう。
筆者撮影
洗面所などで使用する際は、本体にホースを繋いで直接連続排水できるタイプを選ぶと便利です。
④ メンテナンスのしやすさ|タンクの取り出し場所や形状を確認
Photo by iStock
除湿機は溜まった水を捨てる作業が必要です。タンクの取り出しやすさ、洗いやすさなども要チェック。
メーカーによって取り出し場所や形状も異なり、タンクを前から引き出すタイプ、横から引き出すタイプ、上から引き上げるタイプなどさまざまです。置き場所などによっても使いやすさは変わるので、確認しておきましょう。
ポイント解説
最新モデルでは、蓋を外して隅々まで洗えるものも増えています。なるべくシンプルな形状で、手を入れてサッと洗えるタイプがおすすめです。
おすすめのメーカー
石井 和美
除湿機の購入を検討している方におすすめのメーカーを3つご紹介します。
シャープ
シャープの人気機能は、独自のプラズマクラスターです。衣類を乾燥させながらプラズマクラスターイオンを放出し、生乾きのイヤなニオイをすばやく消臭します。
また、スリムな細長いフォルムで、メンテナンスもしやすく、使い勝手のよさも評価されています。
パナソニック
パナソニックの衣類乾燥除湿機はナノイーを搭載し、部屋干し臭を抑制します。
上位モデルに搭載されている2枚の左右独立したルーバーもオリジナル。洗濯物と洗濯物のあいだにしっかり風が届き、ムラなく乾燥させることができます。操作性がよく、取扱説明書が親切なので、初心者でもすぐに使用可能です。
三菱電機
生乾きの場所だけ狙って乾燥する「部屋干しおまかせムーブアイ」で無駄なく乾燥するなど、独自の機能が豊富。上下160度、左右180cmの広範囲に風を当てられるモデルもあり、大量の洗濯物を乾かせます。
コンプレッサー式は通常冬に除湿能力が低下すると言われますが、最上位モデルは「おまかせ霜取」で熱交換器の霜取りをして、室温1℃からでも除湿が可能です。
〈編集部PICK UP〉除湿機、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある除湿機・衣類乾燥除湿機の中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの商品を紹介します。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
除湿方式 |
定格除湿能力 |
タンク容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】 パナソニック 衣類乾燥除湿機 F-YHVX200 |
ワイド送風でたくさん乾かせる |
幅378×奥行296×高さ662mm |
17.4kg |
ハイブリッド式 |
15L/17L/日(50Hz/60Hz) |
約5L |
|
【筆者おすすめ】 シャープ(SHARP) 衣類乾燥除湿機 CV-P120 |
しっかり乾燥、カビバリア運転も人気 |
幅359×奥行248×高さ665mm |
約15.5kg |
コンプレッサー式 |
11L/12L/日(50Hz/60Hz) |
約4.5L |
|
【筆者おすすめ】 三菱電機 衣類乾燥除湿機 サラリ MJ-M120TX |
生乾きの部分を狙って乾燥 |
幅360×奥行210×高さ534mm |
13.5kg |
コンプレッサー式 |
11L/12L/日(50Hz/60Hz) |
約3L |
|
コロナ(CORONA) 衣類乾燥除湿機 Sシリーズ CD-S6324 |
コンパクトでもしっかり衣類乾燥 |
幅170×奥行365×高さ533mm |
8.3kg |
コンプレッサー式 |
5.6L/6.3L/日(50Hz/60Hz) |
約3.0L |
|
コロナ(CORONA) CD-WH1824 |
最大45畳対応の強力モデル |
幅378×奥行235×高さ657mm |
13.9kg |
コンプレッサー式 |
16.0L/18.0L/日(50Hz/60Hz) |
約5.5L |
|
パナソニック(Panasonic) F-YZVXJ60 |
ナノイーXで清浄な空気をキープ |
幅436×奥行177×高さ335mm |
6kg |
デシカント方式 |
5.4L/5.6L/日(50Hz/60Hz) |
約2.0L |
|
三菱電機 MJ-P180WX |
豊富なモードでさまざまなシーンに対応 |
幅372×奥行281×高さ594mm |
15.2kg |
コンプレッサー式 |
15.5L/18L/日(50Hz/60Hz) |
約4.7L |
|
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) サーキュレーター衣類乾燥除湿機 IJDC-K80 |
送風機能と除湿機能で季節を問わず有効活用 |
約幅334×奥行285×高さ739mm |
約11.5kg |
デシカント式 |
8L/日 |
約3.5L |
|
日立(HITACHI) 衣類乾燥除湿機 HJS-DR601 |
持ち運びやすい軽さとサイズ感 |
幅301×奥行204×高さ502mm |
5.9kg |
デシカント式 |
5.6L/日(50Hz/60Hz) |
約2.5L |
|
シャープ(SHARP) CM-R100 |
除湿・衣類乾燥・消臭・冷風の1台4役 |
幅315×奥行235×高さ575mm |
約12.5kg |
コンプレッサー式 |
9.0L/10.0L/日(50Hz/60Hz) |
約2.5L |
|
シャープ(SHARP) CV-SH150 |
ハイブリッド式で1年中活躍 |
幅365×奥行235×高さ645mm |
約15kg |
ハイブリッド式 |
12L/13L/日(50Hz/60Hz) |
約3.6L |
|
cado DH-C7100 |
ハンドル&キャスターで部屋間の移動もラクラク |
幅327×奥行207×高さ682mm |
約12kg |
コンプレッサー式 |
6.5L/7.5L/日(50Hz/60Hz) |
3.5L |
|
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) KIJD-P20 |
下向きルーバーで低い位置の除湿に活躍 |
約幅322×奥行211×高さ464mm |
約5.3kg |
デシカント式 |
2.4L/2.2L/日(50Hz/60Hz) |
約2.0L |
|
TWINBIRD(ツインバード) JS-E955 |
自然乾燥の約1/9の時間で衣類を乾燥 |
約幅314×奥行225×高さ527mm |
約10kg |
コンプレッサー式 |
6.3L/7.1L/日(50Hz/60Hz) |
約4L |
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