〈プロ解説〉ベッドマットレスの寿命は?買い替えの目安や選び方を紹介
人生の3分の1を占める睡眠時間。普段ベッドで寝ている方にとってベッドマットレスはとても重要です。毎日使うものだけに寝心地がよく長持ちするものを選びたいですよね。
買い替え時期がわからないまま長期間使用し続けていると、気づかないうちに寝心地を損なっているだけでなく、腰痛や背中の痛みの原因になっていることもあるので注意しましょう。
そこで今回は、ベッドマットレスの寿命がいつなのか、買い替え時期を判断する目安についてご紹介します。
目次
まずは筆者が選ぶベッドマットレス3選
おすすめポイント
高反発マットレスの草分け的存在マニフレックスのマットレス。マニフレックスシリーズはモデル数が多く、リーズナブルなものから高価格なものまで幅広くラインナップされています。オクラホマは厚みが23cmあり、表裏で硬さが異なるので好みの寝心地を選べるのが特徴です。側生地は取り外してドライクリーニングでき、清潔に使えます。へたりに対して12年の長期保証が付いているのもうれしい点です。
おすすめポイント
創業456年の老舗寝具メーカー西川。SUYARAは、表面に凹凸があるストレスフリーウェーブ構造が特徴です。ボディラインにあわせてなめらかにフィットし、体圧分散を促してくれます。また適度な反発力もあるので、寝返りがしやすいのも魅力。身体がベタッとくっつかず、湿気を逃がしやすい構造になっています。
おすすめポイント
100%天然ラテックス素材を使ったマットレス。柔らかさと高い弾力性を兼ね備えた寝心地は、背骨のS字カーブを正しく保ち、身体全体をバランスよく支えてくれます。特に横向き寝が多い方におすすめで、下になった肩の圧迫感が少ないのが特徴。また、反発力があるので寝返りが楽にできます。芯材の100%天然ラテックスはヒトと地球にやさしく、焼却しても有害物質を出しません。土中に埋めれば約2年で土に還ります。製品保証が10年付いているのもうれしい点です。
「ボディドクターの反発力」を紹介する公式動画がこちら
マットレスの種類と寿命の目安
ベッドマットレスの寿命は、使われている中身の素材にもよりますが、寿命の目安が8~10年ほどのものが多いです。マットレスの種類は大きく、コイルマットレスとノンコイルマットレスに分けることができます。
コイルマットレスはボンネルコイルマットレスやポケットコイルマットレス、ノンコイルマットレスはウレタンフォーム・ラテックス・ファイバーなどです。
昔はコイルを使ったマットレスが主流でしたが、今ではウレタンやラテックスといったコイルを使わないものも増えてきています。種類別におおよその寿命をご説明します。
種類 |
寿命の目安 |
---|---|
ボンネルコイル |
5~7年 |
ポケットコイル |
8~10年 |
高反発ウレタン |
8~10年 |
低反発ウレタン |
4~6年 |
ラテックス |
8~10年 |
ファイバー |
6~8年 |
ボンネルコイル・ポケットコイル|バネの種類で寿命に違い
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コイルを使ったマットレスは、バネ(スプリング)が連結しているボンネルコイル(画像左)よりも、それぞれ独立しているポケットコイル(画像右)の方が長持ちする傾向にあります。また、コイルの焼き入れの有無によっても耐久性は変わってきます。
ポイント解説
コイルはへたっていなくても、上の詰め物がへたってくると寝心地が悪く感じることがあります。
高反発・低反発ウレタン|寿命が長いのは高反発
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ウレタンフォームのマットレスは、反発が強い高反発マットレスの方が耐久性に優れています。低反発ウレタンは反発力が低いので、復元する力が衰えるのが早く、高反発ウレタンに比べてへたりを感じやすい傾向があります。
ラテックス|天然素材でしかも寿命が長い
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ラテックスマットレスは反発力が高く長持ちします。ただ、ゴム素材は紫外線に弱いので、太陽に当てると劣化が早く進みます。
ファイバー|長く使うには熱に注意
ファイバー素材のマットレスは熱に弱く、湯たんぽなどと併用するとその部分だけへたったように感じます。
身体を支える素材として繊維状にしたポリエステル樹脂などを使用しているため、通気がよく、カビやダニが発生しにくいというメリットがあります。
買い替えの目安は?チェックポイントを解説
毎日使っているとわかりにくいマットレスの買い替え時期。今回紹介するような状態に気づいたら、それは買い替えの時期にきているサインかもしれません。快適な睡眠を続けるためにも、ぜひチェックしてみてください。
ポイント① 中央がへたり、身体が沈んでしまう
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毎日寝ていると徐々に中央部分がへたってきます。特に寝返りが少ない方や、いつもベッドの中央で寝ているとそうした状態になりやすいです。
寝ている面全体を見て、両サイドと比べて中央部分が沈んだままになっていると感じたら、へたってきていると判断して買い替えを検討しましょう。
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マットレスがへたってくると、寝姿勢が崩れ身体に痛みが出る場合があります。正常立位姿勢を保って眠るのが適正ですが、腰部分がへたると身体が「く」の字に沈むため腰痛の原因になります。
身体への荷重が変わるため、背中に張りを感じたり、肩に痛みが出たりすることもあります。
ポイント② ギシギシ音がする
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特にスプリングの入ったコイルマットレスで起きやすい問題ですが、経年劣化によりコイルから音が出ることがあります。寝返りの度にギシギシ音がすると睡眠の妨げになるので、買い替えの目安だといえます。
ポイント③ ホコリっぽいと感じる
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こちらもコイルマットレスで起きやすい問題ですが、中が空洞のため、ホコリが溜まります。ハウスダストが気になる方や、アレルギー持ちの方は、長期の使用には注意してください。
ポイント④ 汚れや破損が起きている
使われている素材の性質や、環境などによって以下のような状態になることがあります。
▼ ラテックスは経年でボロボロに
ラテックスマットレスの場合、経年劣化によりボロボロと崩れてきます。そうなる前に買い替えを検討しましょう。
▼ カビが生えている
湿度の高い状態が続くと、マットレスの裏面にカビが生えてしまうことがあります。マットレスの中身を覆っている側生地(がわきじ)が取り外せるマットレスであれば洗えますが、完全にはカビを取り除けません。
ポイント解説
カビを防ぐには、定期的にマットレスを立てかけたり部屋の換気をしたりすることが有効です。普段は除湿シートの併用をおすすめします。
▼ 側生地が破れている
長く使っていると側生地が破れてしまうことがあります。コイルマットレスの場合、中のコイルが身体に当たるようになると危ないですし、ウレタンマットレスの場合はウレタンが欠けてしまうこともあります。
側生地が破れないようにしっかりとBOXシーツでマットレスを覆いましょう。
長持ちさせるコツ、5つのポイント
マットレスは日々の手入れで長持ちさせることができます。ポイントは湿気を抜き乾燥させること。少し手間をかけてよい状態を保ち、長く快適に使いましょう。
①マットレスを干す
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人は毎晩コップ2杯分の汗をかくと言われています。その水分のほとんどは寝ているマットレスに吸収されるため、思いのほか湿気を含んだ状態になっているのです。
湿気は寝具の劣化を早めるので、できるだけ湿気を抜いて乾燥させてください。朝起きたらマットレスを壁に立てかけて裏側を乾燥させたり、窓を開けて換気したりすると効果的です。
おすすめポイント
軽いウレタン系のマットレスなら、たまにベランダに干すのもよいですね。ラテックス系のマットレスは紫外線に当たりすぎると劣化が早まるので、部屋の中で乾燥させてください。
②マットレスの向きを変える
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毎日同じ場所で寝ているとその部分がへたってきて湿気も集中します。たまには上下の向きを変えたり、ひっくり返したりしてローテンションしながら使うことをおすすめします。
③除湿シートを使う
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マットレスとベッドフレームのあいだに除湿シート(Amazonで見る)を挟むのもおすすめです。重いマットレスを干したり立てかけたりするのは大変ですが、除湿シートは簡単に干せます。
カビ防止になるので、汗の多い方や部屋の湿度が高い場合は使うようにしましょう。
④ベッドパッドを使う
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マットレスに直に寝てもよいのですが、ベッドパッド(Amazonで見る)を重ねることによりマットレスが長持ちします。汗をベッドパッドに吸収させ、天日干ししてください。マットレスに湿気がこもるのを防いでくれます。
ポイント解説
ベッドパッドは、好みにあわせて吸湿性のよいウールや綿の製品を選ぶのがおすすめです。
⑤BOXシーツは必ず使う
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たまにBOXシーツ(Amazonで見る)をせずに直に寝ている方もいますがおすすめしません。シーツをしないとマットレスの生地が傷みやすくなります。
衛生的にもよくないので、BOXシーツを被せ、1~2週間に1度は洗うようにしましょう。
ベッドマットレスの選び方
ポイント解説
人によって体型・体重・体質・眠りのクセ・寝心地の慣れが異なります。長年寝具をご提案してきた立場で、おすすめの選び方をご説明します。
理想のサイズ
質の高い眠りにとって重要なのが寝返りのしやすさ。幅が狭いと寝返りをしなくなってしまったり、中央で無理に横を向いてしまったりすることも。身長や体型にあう適切なサイズを選びましょう。
一人寝の場合|肩幅+50cm、身長+25cmが目安
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マットレスのサイズは肩幅+50cmを目安に選ぶと、ストレスなく寝返りができます。肩幅の広い男性なら、セミダブルサイズ(120cm幅)がおすすめです。
マットレスの標準丈は195cmなので、長身の方だと足が出てしまいます。身長+25cmを目安に選ぶとゆったり眠れるでしょう。
二人寝の場合|シングルまたはセミダブルサイズを2台並列
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ベッドを置く場所に余裕があれば、シングルサイズを2台並べることをおすすめします(もしくはセミダブル2台)。
ダブルサイズだと140cm幅なので、1人分は70cm幅となり、充分なスペースを確保できません。腰や肩が痛くなる可能性があるので、できればシングルサイズ2台を選びましょう。
2人の体型や寝心地の好みが異なる場合、それぞれにあったマットレスを選ぶことができるのもメリットです。
マットレスの種類
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マットレスは素材によって耐久性や手入れのしやすさが異なります。それぞれの特徴を知ったうえで選びたいですね。
蒸れにくさ |
耐久性 |
手入れのしやすさ |
処分の |
価格 |
|
---|---|---|---|---|---|
ボンネルコイル |
◎ |
△ |
△ |
△ |
低~中 |
ポケットコイル |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
中~高 |
ウレタンフォーム |
〇 |
〇 |
◎ |
◎ |
中~高 |
ラテックス |
△ |
◎ |
△ |
◎ |
高 |
ファイバー |
◎ |
〇 |
〇 |
◎ |
高 |
ボンネルコイルマットレス
- コイルが連結している構造で、硬めの寝心地のマットレスが多い
- 比較的安価に購入可能
- 透湿性に優れる
- 重たく、立てかけたりシーツを替えたりといった日常的な手入れが大変
ポケットコイルマットレス
- コイル1つ1つが独立している構造で、体圧分散に優れる
- 耐久性はコイルの焼き入れの有無をチェック
- 透湿性に優れる
- 上層の詰め物がしっかりしていないと、コイルが身体に当たり寝心地に影響
- 重さと構造ゆえ処分するのが大変
ウレタンフォームマットレス
- 高反発と低反発がある
- 加工が容易なため表面の形状を自由に変えられる(平坦や凹凸など)
- 軽く持ち運びしやすい、普段の手入れや処分も簡単
- 硬さがN(ニュートン)で表記されるため、自分にあう硬さを見つけやすい
- 透湿性に劣る商品もあるためしっかり確認を
- 湿気に弱く、へたったように感じる
ラテックスマットレス
- 天然のゴム素材を生かした反発力のある寝心地が特徴
- 寝返りがしやすい
- 人によっては揺れるような寝心地が気になる場合も
- 重量があり透湿性があまりよくないため、天然素材のベッドパッドとの併用がおすすめ
- 紫外線に弱い
ファイバーマットレス
- 樹脂素材を編むようにして弾力性をもたせているのが特徴
- 重量はやや重く、寝心地は硬めのものが多い
- 保温性がないので、冬に寒く感じることがある
長期保証がついているか
最近ではマットレスに長期の保証期間を設定しているメーカーもあります。保証の対象は「へたり」ですが、長いと10~12年ほどの期間を設定している商品も。
長く使いたいと考えている方は、長期保証の有無を確認してください。
信頼できる店で専門家に相談しながら選ぶ
Photo by iStock
経験上この選び方が最もおすすめです。経験豊富な販売員なら、自身の悩みや要望を伝えれば適切なメーカー、寝心地のマットレスを提案してくれます。
専門店なら体型測定器・体圧測定器などを使い、体型を測定してぴったりなマットレスの提案も可能です。
ポイント解説
どこでもどんなものでも眠れるという方以外は、試し寝をしてください。スペックだけではわからないことがありますし、「気持ちよい、これなら眠れそう」と思えることは大切ですからね。時間が許せば、日を改めて寝てみることもおすすめします。
〈編集部PICK UP〉マットレス、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数あるマットレスの中でも、ECサイトなどで売れ行き好調な製品を紹介します。
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