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身体改造カルチャーの最先端を追い続けて20年以上、今回はテクノロジーで人間の能力を強化する「人間拡張(ヒューマンオーグメンテーション)」を紹介する。
2019年1月、サイボーグになりたい改造人間ラス・フォックスとともに、東京大学の暦本純一教授の研究室を訪問した。
案内してくれた河野通就さんは、人間拡張を研究しており、マイクロチップや電子機器、マグネットなどを体内に埋め込む「ボディハッキング」にも大変興味があるといい、イベントにも参加してくれた。
ちなみに「ボディハッキング」とは、タトゥーやピアスを含む「身体改造(ボディ・モディフィケーション)」から派生した新しいカルチャームーブメントで、海外では実践者の増加に伴い、政府や大学の研究機関や医療従事者からも注目され、専門家を交えた国際会議などが開催されている。
日本の大学で行われている学問研究領域のなかで、未来のサイボーグに最も近いとされる人間拡張の現場からお届けする。
人間拡張は人間とコンピュータをインターフェースでつなぎ、その能力を拡張する
人間拡張とはテクノロジーで人間の能力を拡張することを目指している。
具体的には、仮想現実や人工知能、機械、人間同士をインターフェースによってネットワークすることを研究しており、それは「IoA(アイオーエー)=能力のインターネット」と呼ばれる。
IoAのアイデアは、ウィリアム・ギブスンのSF小説『ニューロマンサー』では「ジャックイン」と呼ばれ、サイバースペースに没入することを意味する。
また、対外離脱感覚を提供する「ジャックアウト」、機械と人間の接続による「ヒューマン・マシン・ジャックイン」、人間同士を接続する「ヒューマン・ヒューマン・ジャックイン」、「ジャックアウト」により連続的に1人称視点と3人称視点を行き来できる「ジャックイン・スペース」などの研究も進められている。
人間と機械のインターフェースでは、人体に電気信号を送って動かすことも出来る
インターフェースの方法としては、3Dゴーグルやウェアラブル端末が開発されているが、将来的には体内にも入っていくことになるだろう。
暦本研究室では、人体に人工的に電気入力を行うインターフェースも研究されており、実際に電気信号を送って動かすことも出来るという。
河野さんは電気信号で筋肉を動かす機器を作っているので、体験させてもらった。
2つの粘着パットを腕の筋肉部分に張りつけて、徐々に電気信号を強くしていく。脱力していた指や腕が突然ピクピクと動いた。
このような人間の筋肉に電気信号を送って動かす行為の先駆者は第3の耳を持つ、現代アートのパフォーマー、ステラークである。彼は人間と機械を融合するサイボーグをコンセプトに驚愕のパフォーマンスに挑んできた。その成果が人間拡張の研究現場でも活かされていることが素晴らしい。
ところで、マイクロチップを自ら埋め込んで世界的な話題となったイギリスのレディング大学ケヴィン・ウォリック教授を日本に招聘したのは暦本純一教授であった。その現場にも筆者は取材者として立ち会った。
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