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フックを刺して身体を吊り下げる「ボディサスペンション」については何回か取り上げてきたが、2018年の世界大会に日本の若者4人が参加したので、その模様を中心にサスペンションの歴史を振り返る。
ご存知だろうか、現代のサスペンションは、1970年代、ファキール・ムサファーがアメリカ先住民のサンダンスという儀式を現代医学の知識をもとに再現したことから始まった。
同じ頃、現代アートのパフォーマーであるステラークが地球にいながらに無重力体験に挑み、自らの身体にフックを貫通して様々なポーズで吊り下がってみせた。
90年代、身体改造の世界的流行が起こると、サスペンションの第二世代が登場し、専用の道具や技術を開発して誰でも望むなら実践可能となった。
サスペンションの技術を完成して世界に広めた人物
サスペンションの第二世代には、その技術を完成して世界に広めた2人のキーパーソンがいる。
ひとりはアメリカのアレン・フォークナー。彼は全米各地に出張可能なサスペンションのプロとして活躍した。
僕が立ち会った驚くべき実演ショーは2001年にラスベガスで行われたサスペンション結婚式だ。野外に巨大な櫓が組まれ、新郎新婦ばかりか牧師も吊られ、宙吊りの状態で愛の誓いが交わされた。
この結婚式はラスベガスAPP国際ピアス会議の会期中に行われ、世界中から会議のために集まったピアスのプロたちが2人の新しい門出を祝ったのだ。
もう一人の重要人物は、ノルウェーのオーウェ・フィエルだ。彼はサスペンション世界大会「サスコン」を主宰し、5日間で100人以上を吊り下げて、世界のサスペンション・カルチャーをリードしてきた。
2017年は7月の世界大会に続き、11月にはベルリンでサスペンション国際会議が開催され、オーウェにとってもこれまでのサスペンション・カルチャーの啓蒙活動を集大成する絶好のタイミングであった。
サスペンション世界大会に日本から若者4人が参加
2018年の世界大会には、僕以外に日本から4人の若者が参加し、ますます国際色豊かな大会として盛り上がった。
今回が初体験のなおゆきは、スーサイドと呼ばれる背中のサスペンションで吊られ、経験豊富なみりとおーちゃんはスピニングビームでグルグルと大回転した。
立方体キューブで仰向けに吊られたアイちゃんはゆっくりと回転し、空中浮遊の状態で約30分以上、恍惚のサスペンションを楽しんだ。
参加者たちはそれぞれ多種多様な吊り方に挑戦したが、特に注目すべきは、6人がお尻で吊られて回転したり、女性の顔面サスペンションなどが行われた。
最終日は、僕も念願の滝で吊られ、お馴染みの拍子木を叩いて気合を入れた。
実際に体験してみると、滝の音が大変心地よくリラックスでき、空を飛んでいるような非日常的な感覚が無理なく身体に入ってくる。全然辛くない。このままずっと吊られていたいと思ってしまうほどだ。
それでも、身体が自然に反応して、辛くなるちょっと手前で「そろそろ降ろしてもらえ」と教えてくれる。サスペンション体験の醍醐味は、そんな自分の身体との対話を宙に浮いた状態で楽しめることだと僕は思った。
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