〈プロ監修〉獺祭のおすすめ8選、こだわりの飲み方を紹介
獺祭(だっさい)と聞いて、多くの日本酒愛好家が思い浮かべるのは、その洗練された味わいと品質の高さでしょう。日本酒を飲み慣れていない方も、日本酒好きの方も、獺祭の選び方や飲み方を知ることで、よりおいしく味わいたいところ。
そこでこの記事では、唎酒師・日本酒ライターとしても活躍されている、若松屋酒店(東京・板橋)の三代目 小林健太さん監修のもと、おすすめの獺祭とこだわりの楽しみ方を紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
まずはプロのおすすめ、獺祭2選
小林さんのおすすめポイント
獺祭を楽しむとき、お米の精米歩合は外せないポイントです。23、39、45は、それぞれお米を磨いた残りのパーセンテージを意味します。磨けば磨くほど冴えわたる獺祭の華やかさと旨さを味わえます。ぜひ飲み比べて堪能してください。飲み比べは同じ温度、同じグラスというように同条件にするのがコツです。化粧箱入りですので、プレゼントやギフトにもおすすめです。
小林さんのおすすめポイント
古来から言われてきた「酒は百薬の長」であることを目指し、新しく造られたのがこの新生獺祭です。「新生」シリーズに配合されている獺祭の発酵過程で発見された成分「獺祭エクソソーム」は、公式サイトでは「人間に有益な物質」とうたっています。定番の獺祭 純米大吟醸45と同様に、綺麗な飲み口で、華やかな香りを楽しめます。体にも良い効果が期待できるお酒として、父の日・母の日や敬老の日などの贈り物としても人気があります。
獺祭に適した「温度」とは
日本酒には、冷酒・冷や・ぬる燗・熱燗といった飲み方がありますが、獺祭の場合は、冷やして楽しむのが基本的な飲み方です。
獺祭の製造元「旭酒造(山口・岩国)」は、純米大吟醸酒一本で勝負をしている酒蔵です。香りの高さや、きりっとした口当たりが特徴で、お燗を前提としていないお酒造りをしています。
公式サイトでも、冷や(常温の状態)、または冷酒(冷やした状態)をすすめているため、「獺祭は常温か冷やして楽しむ」と覚えておきましょう。
獺祭をお燗で楽しみたい場合は、お燗専用の「獺祭 温め酒」がおすすめです。
お燗で楽しめる「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 温め酒」は、10月から3月までの季節限定商品で、精米歩合23%まで磨き上げたお米で作る純米大吟醸「二割三分」を、お燗用に調節した一本です。
アルコール度数は通常の純米大吟醸より少し低めの14%。公式HPでは50度を少し超えるくらいの熱燗をおすすめしています。温めることでより華やかでフルーティーな吟醸香と、長く続く余韻を楽しめます。
小林さんのアドバイス
獺祭のような、普通は燗をせず冷酒で楽しむタイプの高精米でフルーティーなお酒でも、お燗がおいしく感じるように、さまざまな温度で楽しめるのが日本酒の魅力の一つです。温度が5度変われば、味わいも変わりますので「このお酒はこの温度」というよりは、少しずつ温度を変えながら好みの温度を探して楽しんで欲しいと思います。
「お気に入り」の獺祭を見つけるために
獺祭にはさまざまな商品があります。お気に入りの1本を見つけるための注目ポイントを紹介します。
「味わい」の違いで選ぶ
獺祭は種類が多く、精米歩合が同じ「三割九分」「二割三分」でも、さらに遠心分離をかけたものとそうでないものに分かれます。
日本酒は、もろみが入った状態のどろどろの液体を布袋に入れて圧をかけ、濾すことで原酒と酒粕に分離します。「遠心分離」とは、この工程で遠心分離機にかけて回転させることでもろみと液体を分離させた獺祭を指します。
遠心分離をかけたものは、お酒本来の香りを残しながら、苦味や渋みなどの雑味がなくすっきりした透明感のある味わいです。一方、圧をかけて濾したものはさまざまな風味が調和したコクを感じられます。
小林さんのアドバイス
獺祭を語る上で外せないのが「精米歩合(せいまいぶあい)」。これは玄米を100%として、残り何%までお米を磨くかというパーセンテージです。獺祭45は「米の残り45%まで磨いたもの」、二割三分であれば「米の残り23%まで磨いたもの」ということを意味します。削られる米の周りの部分には雑味につながる成分が多いとされ、磨けば磨くほど、獺祭らしい華やかさと旨みがより強く、そして雑味を抑えられます。
お酒の「種類」で選ぶ
獺祭といえば日本酒の代名詞といった側面もありますが、実は日本酒以外に焼酎や梅酒も造られています。
「獺祭焼酎」は、日本酒を作った際に出る酒粕を用いた焼酎で「粕取り焼酎」と呼ばれるものです。日本酒特有の香り高さを残したまま、焼酎らしいガツンと来るおいしさを堪能できるので、日本酒より焼酎派という人は試してみてはいかがでしょうか。
小林さんのおすすめポイント
獺祭焼酎の特徴は何といっても「華やかな吟醸香」。この香りを最も楽しめるように、一般的な焼酎のように加水調整はせず、アルコール度数39度と高いままで瓶詰めされています。おすすめの飲み方は炭酸割り。アルコール度数が高いため炭酸の比率を多くでき、強い炭酸の焼酎ハイボールがつくれます。気泡がはじけるのに合わせ、獺祭焼酎の華やかな香りが広がります。
獺祭の焼酎についてはこちらの記事で詳しく説明しているのでご参考にしてください。
「価格」に注目
獺祭は高級なイメージもありますが、手軽に味を楽しめる180ml瓶などがあります。自分の好みと合っているか、試してみてはいかがでしょうか。
小林さんのアドバイス
獺祭は全て日本酒の最高位「純米大吟醸」に準ずる規格で造られています。そのため、もっともスタンダードな純米大吟醸45でも、十分に獺祭らしい華やかで綺麗な味わいを楽しむことができます。まずはリーズナブルな純米大吟醸45からお楽しみいただくのがおすすめです。
〈編集部PICK UP〉人気の獺祭、5商品
Moovoo編集部
ECサイトなどで売れ行き好調な、人気の獺祭を紹介します。
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温度以外で気をつけることは?
よりおいしくいただくための、温度以外のポイントを見ていきましょう。
口当たりが変わる「酒器」
獺祭をおいしくいただく上で「酒器」も大切なポイントです。酒器はおしゃれなものや渋さがかっこいいものなどデザインが豊富ですが、どんなものを使うかによってお酒の口当たりが変わります。
クリアな味わいや華やかな吟醸香を楽しみたいならおすすめはワイングラス。
「日本酒をワイングラスで?」と思うかもしれませんが、口がすぼまっている形はお酒の香りをより感じることができ、滑らかで薄く作られたガラスは酒器の存在を気にせずに日本酒の口当たりを感じることができます。
また、直にグラスを持たないことからお酒に熱が伝わることを防ぐ点など、ワイングラスは獺祭の香りや余韻を堪能するために必要な要素を満たしています。獺祭の公式サイトでもワイングラスが紹介されています。
また、こちらの記事で日本酒に合うおすすめのワイングラスを紹介しています。参考にしてみてください。
獺祭に合うおつまみは?
飲みすぎ防止やお酒の味を引き立てるために、おつまみもこだわりたい所です。おいしいおつまみと日本酒を合わせれば特別な味わいを楽しめることでしょう。
おすすめなのは、意外かもしれませんがワインと同じようにチーズ。チーズのクリーミーな味わいや酸味が、獺祭のフルーティーな風味によく合います。
そのほかに日本酒のあてとして代表的な塩辛や炙り明太子もおすすめです。もちろんお刺身などの魚介類は相性バッチリ。至福のひと時を過ごせるようチョイスしてみてくださいね。
▼ 日本酒のプロがおすすめする、おつまみを紹介
開栓後は早めに飲み切る
獺祭に限らず、基本的に日本酒には賞味期限が記載されていません。だからこそ気になるのが一度開栓した後のこと。炭酸が入っていない限りは長くもつのでは?という気もしますが、日本酒は生きたお酒なので開栓していなくても刻々と味わいは変わっていきます。
封を開けて空気に触れると、どうしても劣化が進みます。開栓後は冷蔵庫で保管し、できるだけ早めに飲み切ることが大切なポイントです。
小林さんのアドバイス
開栓後は冷蔵保管で2週間以内に飲み切るようにしましょう。保存時は寝かせず、冷暗所に。光もお酒の天敵なので、保管スペースに余裕があれば箱に入れたまま保存してください。
アレンジを楽しむ
最後は少し変わった獺祭の飲み方を見ていきましょう。ちょっとした工夫で新しい獺祭のおいしさに気付けるかもしれません。
日本酒も「ロック」で
まずおすすめしたいのは、獺祭を冷たいままで楽しめる「オン・ザ・ロック」。徐々に氷が溶けていくにつれ、尖ったところが少なくなり、まろやかさを味わえる楽しみ方です。お酒を味わいながらゆっくりと流れる時間を楽しみたい時におすすめです。
小林さんのおすすめポイント
グラス一杯に氷を入れ、冷やした獺祭をなみなみと注いでお楽しみください。あまり氷が溶けすぎないうちに、キュッと飲み切るのがおすすめです。
「割り材」をプラスして自分だけの獺祭に
獺祭をジュースで割るなんて!とびっくりされてしまいそうですが、日本酒初心者さんでもおいしくいただける飲み方が割り材をプラスする方法です。
獺祭は雑味がなくクリアな味わいなので、どんな割り材でも合わせやすい面があります。おすすめはやはりオーソドックスな炭酸水。シュワシュワとした軽い口当たりでついつい飲みすぎてしまいそうな爽やかさです。
ほかには牛乳や、桃・ベリー系のジュースとも相性バッチリです。
水割り燗にする
水で割った日本酒をお燗する「水割り燗」。日本酒を水で割るとまろやかで優しい味わいになり、アルコール度数を調整できるのもメリットです。
また、お燗をすることで旨みがきわ立って感じられるので、風味が薄まってしまったという感じもありません。水割りに使うお水は元々日本酒が造られたお水と同じ、日本の軟水がおすすめです。
作り方は、お酒とお水の割合が8:2になるように水割りして、50度の熱燗にします。ちょっと珍しい飲み方ですが、獺祭を手に入れた際には一度試してみたい飲み方です。
いろいろな飲み方を楽しめる「獺祭」
獺祭の種類や飲み方について紹介しました。
高級な日本酒というイメージもある獺祭ですが、種類によってはお手頃な価格で購入することが可能です。日本酒ブームをけん引してきた獺祭の味わいを、いろいろな飲み方でぜひ試してみてくださいね。
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