プレイヤーの表情をVR世界にリアルタイムで反映するヘッドセット「Veeso」

技術的な進歩の著しい「VR」のテクノロジー。ヴィジュアルはよりリアルになり、身体の動きに追随して、VR内のアバターをコントロールすることも可能になった。

しかし、何かもの足りない…。「Veeso」は、VR内のアバターに、プレイヤーの表情をリアルタイム同期できるヘッドセットだ。これがあれば、VR内でのコミュニケーションも、より楽しくなるかもしれない。

表情を正確にトラッキング

顔全体をトラッキングすることで、より正確に表情を連動させることができる「Veeso」。上下に搭載された赤外線カメラが、プレイヤーの瞳や眉の動きからあごや口の動きまで正確にトラッキング。タイムラグなしにVRアバターに転送することが可能だ。

ウインクしたり、眉をしかめたり、驚いて口を大きく開けたり…。プレイヤーの表情の変化を、そのままVRの世界に反映できるのだ。プレイヤーが意図しない表情もそのままダイレクトにVRアバターに連動するので、よりリアルな感情表現ができる。

「Veeso」のトラッキングシステムの性能は、映画「アバター」などの映画で使われているシステムと同等レベルで高性能。表情により感情がダイレクトに伝わることで、より豊かなコミュニケーションを可能としている。

以前のタイプでは電源ケーブルが付いていた「Veeso」だが、最終版では完全にワイヤレスになっており、プレイヤーの動きを制限しない点も魅力だ。

VRをよりリアルな世界にする

このヘッドセットは新しい世界をプレイヤーにもたらし、お気に入りのキャラクターや動物や虫などになりきることだって可能。現実の世界とは異なる姿で、大いにVRの世界を楽しめる。

VRの魅力は、プレイヤーがよりリアルに仮想現実を感じられることに大きく左右される。つまり「Veeso」により、プレイヤー同士のコミュニケーションツールが会話だけではなく、表情も加わることで、よりリアルな世界が広がるのだ。

感情をシェアすることの大切さ

「Veeso」はまだ壮大な旅の途中であり、始まりは約10年以上前にさかのぼる。ソーシャルプラットホームである「Camup」を立ち上げ、リアルタイムで人々とライブやオーケストラ演奏などを楽しめるインタラクティヴビデオコミュニケーションを確立した。

そして早い段階で表情による感情をシェアすることで、共に笑い、応援し、泣き、絆が生まれることが分かったという。この出来事から、表情をシェアできる大切さを実感し、別の世界VRに取りいれることとなったのだ。

テクノロジーの進化にともなって、より「リアル」に近づく「VR」の世界。「Veeso」によって、その世界に「表情」が加わったとき、もっと温かみのあるコミュニケーションが生まれるかもしれない。