〈プロ監修〉出刃包丁のおすすめ人気15選 専門店当主の選び方とは
刃の先端が尖っていて厚みがあり、刃先の反る形状が特徴の出刃包丁。魚料理や釣った魚をさばくのに便利です。
出刃包丁は、深く刃を入れて鋭く切れるように、片側にだけ刃が付いている「片刃」のものが一般的。大きめの魚も骨まで押し切りやすい重みがあります。三枚おろしでも身が崩れにくく、きれいに切りやすいです。
そこでこの記事では、包丁専門店「堺一文字光秀」三代目当主、田中諒さん監修のもと、出刃包丁の選び方とおすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
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まずはプロのおすすめ、出刃包丁2選
田中 諒さん
こちらの商品は、モリブデンというステンレス鋼の中でも切れ味と研ぎやすさのバランスを向上させる成分を含み、錆びにくさと切れ味、研ぎやすさを両立しています。このクラスの中では抜群に刃の形が良く、切れ味の良さだけでなく、研ぎも非常にしやすいのが特徴です。ハンドルにも、劣化しにくく滑りにくい抗菌プラスチックが使われ、食洗機にも対応します。魚工場などプロの現場向けとの宣伝が多いですが、釣りやご家庭用にもおすすめな素晴らしい包丁です。
田中 諒さん
出刃包丁は「切れ味が良くて長くもつか」「研ぎ直しがしやすいか」この点が良し悪しの基準になります。私が店主をつとめる堺一文字光秀の、この出刃包丁は和食料理人に人気が高い白二鋼を使用し、切れ味はプロのお墨付きです。ポイントは、刃線が非常に綺麗で研ぎやすく、良い切れ味をずっと維持できる点。また、職人による名入れが無料なので、名前を入れることで一生の相棒になることでしょう。約70年プロ向けに包丁を提供してきたお店が、1回無料で研ぎ直しをしてくれるサービスも付属し、研ぎに自信の無い方も安心です。出刃包丁は、ひと目で良し悪しはわかりにくいため、長く研ぎのサポートをしてくれるお店で買うことをおすすめします。
出刃包丁の選び方
出刃包丁の選び方を解説します。購入前に、ポイントを押さえておきましょう。
刃渡り|15~18cm程度がおすすめ
出刃包丁の長さはよくさばく魚の大きさに応じて選びましょう。大は小を兼ねると思いがちですが、刃渡りが長い包丁は小ぶりの魚をおろすといった用途には適していません。
大きい魚を切ることが多いならば、刃渡り15~18cm程度がおすすめ。まな板とのバランスも良く、キッチンでも使いやすい長さです。これを超える長さの包丁は、プロ向けなどが中心で、重くて取り扱いにくい場合があります。
田中 諒さん
鯛やサバ、カレイなど体長50cmくらいまでの魚をさばくことが多いなら、刃渡り15cmの出刃包丁を選びましょう。スズキなど60cmオーバーの魚が多いなら、18cm。それらが半々であれば、16.5cm程度の包丁がおすすめです。
また小出刃包丁といって刃渡りが10cm程度の包丁は、小回りがきき、魚の三枚おろしや中骨、細かい骨を切るのに向いています。
アジをさばくことが多いならアジ切り包丁と呼ばれる、刃先がさらに鋭く薄い出刃包丁もあります。持ちやすく、切る際に身が崩れたり割れたりしにくいので、アジ以外の魚でも便利に使えます。
材質|切れ味のよい「鋼」、手入れしやすい「ステンレス」
出刃包丁の素材は、大きく分けると「鋼」と「ステンレス」。中でも切れ味が優れているのは鋼です。
硬い材質なので大きい魚の骨もスパッと切ることが可能。プロの料理人も良く使う素材です。ただ、錆びやすいので、使ったら水気を取ったり、定期的に刃を研いだりとお手入れが必要になってきます。
しっかりお手入れしていれば、長く使えて切れ味も落ちません。
ステンレスは、同じ価格帯では鋼の包丁より少し柔らかくなりますが、切れ味は劣りません。錆びにくいため、こまめに拭いたり乾かしたりする必要がなくケアがラクです。
研ぎをする必要はありますが、たまにしか出刃包丁を使わない人におすすめです。
田中 諒さん
出刃包丁の刃の裏側は実は平面ではなく、「裏すき」と呼ばれるへこみとがあります。ここがなだらかできれいな曲面になっているかが重要です。ステンレスの出刃包丁で1万円を切るような廉価なものの中には、裏すきがほとんど無い商品があるので注意しましょう。また、ふち部分(裏押し)が継ぎ目と凹凸のないきれいな平面になっているかが、切れ味と寿命、メンテナンス性を大きく左右します。片刃形状である和包丁のキモともいえる、非常に大事なポイントです。
柄の材質|使い勝手のよさで選ぶ
柄の部分と刃の部分が繋がっているオールステンレスの出刃包丁なら、つなぎ目の部分がないので汚れにくく衛生的に使えます。
つなぎ目がない出刃包丁は魚の内臓の処理などをした場合にも、常に衛生的に保てるメリットがあります。ただ、商品によっては滑りやすい場合があります。
木製の柄は、滑りにくく手になじみ、使いやすいのが特徴。硬い骨や大きな魚の頭などもしっかり切ることができます。
プロ用・家庭用問わず多くの出刃包丁には朴(ほお)という木材がよく使われています。朴は軽くて水にも強いため、出刃包丁の柄に適しているのです。
また朴よりも硬く、耐久性があるのがイチイや黒檀などです。長く使いたい人やこだわりの一本を探している人には、こうした柄の包丁がおすすめです。
柄の形|握りやすさにこだわる
柄の形もチェックしましょう。一般的な出刃包丁は断面が楕円形の握りになっています。「小判型」とも呼ばれますが、握りやすく、力を入れやすいというメリットがあり、初心者の人も違和感なく使えます。
また「くり型」と呼ばれる栗の形をした柄もあります。側面が栗の頭のように尖っていて、握った時の手のひらにフィットします。細かい作業をしやすいのが特徴で、刺身包丁などにも良く使われています。
八角形をした「八角型」も握りやすい形状で、細かい作業もしやすいですが、お値段が少々張る高級な包丁に使われることが多いです。
左利きなら|専用の出刃包丁をチェック
一般に販売されている出刃包丁は右利き向けのものが主流。左利きの人は左利き用の出刃包丁を使うのがおすすめです。
出刃包丁は切れ味も良く、力を入れて切ることもあるので、できるだけ自分の手になじむものを選んでください。
〈編集部PICK UP〉出刃包丁、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある出刃包丁の中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
田中 諒さん
大手メーカーだけあって形にばらつきが無く安心して購入できます。裏すきがほとんど無く、長い年月、研ぎながら使うことはできませんが、本格的な数万円の出刃を買う前に試すには充分かと思います。
田中 諒さん
裏すきの形状や鋼材の特性上、さすがに研ぎながら長く使うことはできませんが、ご家庭で欠けや割れの心配が抑えられる厚みのある出刃包丁は一本持っておくと非常に便利です。高級包丁の弱みになり得る、骨や硬い食品に躊躇なく使えることは大きなメリットです。切れ味を追求してギリギリまで焼きが入った高級包丁は極端に衝撃や低温に弱く、この包丁のほうが硬い食品などを切るのには向いていると言えます。 なんと言ってもステンレスハンドルなので食洗機にも使えます。こういった使い勝手の良さが、この包丁の強みです。高級な出刃を持つ料理人のサブとしても人気なのも頷けますね。
田中 諒さん
スタイリッシュでキッチンに置いておきたいデザインはやはり魅力です。シャープナーに対応させるためか裏側から角度が付いているので出刃特有の鋭い切れ方になりません。修正して平面と裏すき形状を作り、出刃包丁本来の形状にするにはご家庭用の道具では厳しいです。刃先が厚い箇所があったり、裏すきが充分でなかったりと、普通の出刃に慣れた人には使いにくいと思いますが、シャープナーで研いで切れなくなるまでと割り切って使うには、小回りの利く包丁です。
田中 諒さん
安いです。プロ向けの包丁店では切れ味が良いか、研げて長く使えるかという観点から商品を揃えているので、こういった手工程を極限まで省き、コストカットを実現した包丁との比較は難しいです。しかし魚を捌くために片刃がついていて、三徳よりも厚みがある出刃がこのお値段で手に入るということに価値を感じます。研ぎ方、使い方の面で出刃包丁と同じとは言えないため、魚を捌くのがうまくなりたい、研ぎもしたいという方にはおすすめできませんが、釣り旅行先で包丁を忘れてしまったなど、数回しか使わないつもりなら充分と感じます。
田中 諒さん
手に取りやすい価格で鋼の出刃を流通させたい、というメーカー魂が素晴らしいと感じました。どうしてもコストの都合や工程上、裏すきや刃線の調整が安定しませんが、2~3倍する価格のものでもそういったものはあり、ある程度は割り切っていただく必要があると思います。白鋼は錆のケアが必要な点は、ご注意下さい。
- 貝印(KAI CORPORATION)
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関孫六 碧寿ST 和包丁 出刃 150mm AK5072
- 税込み2,800円(楽天市場)
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匠の業と現代技術で利便性を実現
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刀匠「関孫六」の伝統の業に、現代技術をプラス。ステンレス刃物鋼の単層材で、職人が切れ味を確認しながら刃付けを行っています。
刃はよく切れるうえ、サビに強くメンテナンスがしやすいのも特徴です。柄は耐熱温度110℃のポリプロピレン製で、食器洗浄機・食器乾燥器にも対応します。
取り回しやすい、小ぶりなサイズと軽さも魅力。左利き用の商品や、刃渡り約105mm・約165mmの商品もあります。
- 正広(Masahiro)
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正広作MS-8 出刃150mm 左 10055
- 税込み7,903円(Amazon)
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日本で一貫生産。厚みを持たせた左利き用
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材料を日本国内で調達し、製造も自社工場で一貫して行われています。素材の特性に合う加工・刃付けが施され、鋭い切れ味です。
ステンレス鋼刃で、母材厚は4mm。強度と重量があり、硬い物を切断するときも容易です。
刃の差し込み口にある口元は、上部まで覆う設計で水や食材の侵入を防ぎます。価格が少し安い、母材が逆の右利き用も展開しています。
- パール金属(PEARL METAL)
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春楼 出刃包丁155 F-2405
- 税込み1,718円(Amazon)
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魚をきれいにさばける切れ味が魅力
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キッチン・リビング用品などを中心に取り扱う、日本のメーカーの出刃包丁です。切れ味がよく、魚をきれいにさばけます。
体長50cm程度の魚をおろすときにおすすめの刃渡りサイズで、頭や小骨をぶつ切りにしやすいです。
刃渡り155mmのほかに、105mmのあじ切り包丁や205mmの柳刃包丁も展開しています。扱う魚の種類や調理方法に合わせて選べます。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
刃渡り |
刃体素材 |
柄素材 |
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【監修者おすすめ】青木刃物製作所 堺孝行 INOX PC柄(プラスチック抗菌ハンドル)出刃 |
全長335×背厚7mm |
340g |
180mm |
特殊鋼 |
プラスチック |
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【監修者おすすめ】堺一文字光秀 白鋼 霞研 出刃包丁 1d9-150 |
全長285mm |
230g |
150mm |
白二鋼 |
朴 |
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貝印(Kai Corporation) 関孫六 金寿 ST 和包丁 出刃 150mm AK1101 |
安心品質のお手頃な出刃包丁 |
280×54×21mm |
約246g |
約150mm |
モリブデンバナジウムステンレス刃物鋼 |
積層強化木 |
|
下村工業(Shimomura Kougyou) ヴェルダン 出刃包丁 150mm OVD-15 |
硬い食材もよく切れる燕三条製 |
全長290×板厚4mm |
200g |
150mm |
ステンレスモリブデン鋼 |
18-8ステンレス |
|
吉田金属工業 GLOBAL-IST 小出刃12cm IST-05 |
一本あると便利な小回りのきく出刃 |
全長250×刀幅45mm |
180g |
120mm |
刃物用ステンレス |
18-8ステンレス |
|
佐竹産業 濃州正宗作 出刃包丁 st-300-107bt |
手になじみやすい高コスパ品 |
約全長280×刃幅46×刃厚3mm |
約145g |
約155mm |
ステンレス刃物鋼 |
白木 |
|
貝印(Kai Corporation) 関孫六 白紙鋼 水牛柄 出刃 165mm AK2287 |
芯材が白紙鋼で鋭い切れ味 |
335×65×25mm |
434g |
165mm |
安来鋼白紙2号 |
朴 |
|
貝印(KAI CORPORATION) 関孫六 銀寿ST 和包丁 出刃 165mm AK5063 |
伝統の技術を取り入れつつも価格が手頃 |
約298×56×24mm |
約179g |
約165mm |
モリブデンバナジウムステンレス刃物鋼 |
天然木 |
|
ニトリ Days オールステンレス 出刃包丁 8972448 |
持ちやすい柄の形状がポイント |
幅282×奥行51×高さ16mm |
約270g |
記載未確認 |
ステンレス刃物鋼 |
18-8ステンレス |
|
藤次郎 藤寅作 出刃 165mm FU-636 |
切れ味の鋭さとお手入れの楽さが魅力 |
全長295×背厚4mm |
250g |
165mm |
コバルト合金鋼・13クロームステンレス |
18-8ステンレス鋼 |
|
佐竹産業 PISCES 出刃包丁 PC009 |
鋭い切れ味のオールステンレス製 |
全長約290mm |
170g |
約160mm |
モリブデンステンレス刃物鋼 |
ステンレス |
|
貝印(KAI CORPORATION) 関孫六 碧寿ST 和包丁 出刃 150mm AK5072 |
匠の業と現代技術で利便性を実現 |
約283×56×24mm |
約138g |
約150mm |
ステンレス刃物鋼 |
ポリプロピレン |
|
藤次郎 出刃包丁 180mm FU-1055 |
お手入れしやすい長めの出刃包丁 |
全長335mm |
330g |
180mm |
モリブデンバナジウム鋼 |
朴 |
|
正広(Masahiro) 正広作MS-8 出刃150mm 左 10055 |
日本で一貫生産。厚みを持たせた左利き用 |
全長298×母材厚4mm |
185g |
150mm |
ステンレス鋼 |
朴 |
|
パール金属(PEARL METAL) 春楼 出刃包丁155 F-2405 |
魚をきれいにさばける切れ味が魅力 |
約全長285×幅50×高さ23mm |
約208g |
155mm |
ステンレス刃物鋼 |
天然木 |
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