レコード盤を立てて再生できるプレーヤー「Wheel 3」発売。光スタイラスで高音質再生が可能

Moovoo編集部,Taniguchi Munenori
公開: 2025-09-04

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がMoovooに還元されることがあります。

facebook xPost lineLINE copyCopy

近年、音楽好きな人々だけでなく、インテリアとしても人気のアナログレコード。そのレコードをかけるターンテーブル(プレーヤー)も、かつての名機から古き良き雰囲気を再現したもの、これまでにない斬新なデザイン・コンセプトを採用したものまで、使う人の目的や好みに合わせて、様々な商品が選べるようになっています。

なかでもかなり個性的なのが、レコードに乗せたターンテーブルを、ほぼ起立させた状態で再生できるMiniot「Wheel 3」です。

Miniotの工場で手組みされるという「Wheel 3」は、それそのものが円盤状の形状をしており、LP盤を乗せるとほとんどがその陰に隠れるため、再生するとまるでレコード盤だけが回転しているように見えます。


サウンドを「光学式スタイラス」で読み取り

一般的なレコードプレーヤーは、手動または自動でレコード針を盤面の溝に落とし、溝の内側に刻まれた物理的なうねりを針の振動に変え、さらにその振動を磁気コイルで電気信号に変換して、サウンドとして再生します。

一方、Wheel 3はレコードに刻まれたサウンドを光学式スタイラスを用いて読み取ります。光学式と言ってもレーザー光線を使うようなことはなく、Wheel 3の光学式スタイラスは、レコードの溝に落とした針に光を照射し、針の振動によって変化する光量をセンサーで読み取ってサウンドに変換します。

メーカーの説明によれば、この仕組みには、特に低音域の再現性が高くなるというメリットがあるとのことです。

アナログレコードは、溝に音を刻むカッティングの工程で、RIAA(米国音楽協会)が定めた標準に従って主に低音域の音量を小さくします。これにより、溝の振幅を狭め、面積の限られるレコード盤に長時間の記録が可能になります。再生時には、小さくなった低音をフォノイコライザーと呼ばれる回路で持ち上げ、元の音量バランスに戻します。

ただ、この仕組みには高音域に比べ低音域の解像度が失われるデメリットもあり、レコードで再生したサウンドの低音域が濁って聴こえる原因のひとつになります。

しかし、Wheel 3では磁気コイルではなく光で針の動きを読み取るため、そこに記録された低音域をより正確に読み取ることができます(Miniotoは「0Hzまでの音を『見る』こと」が可能になると主張しています)。

また、針の振動を電気信号に変換する磁気コイルなどがない分だけ重量が軽くなり、溝に対する針の追従性が良くなり、高音域の再現性も高くなるとのことです。

ほかにも、光学式スタイラスはレコード盤のセンターのズレや重量的な偏心、反りなどに強くなるメリットがあります。

縦置き、平置き、壁掛けにも対応


なお、Wheel 3のターンテーブル本体は、縦置き、平置き、壁掛けのいずれにも対応し、その針はターンテーブルの一部に設けられた開口部から針をレコードに接触させます。この針は特殊なトラッキングシステムにより、さかさまや縦置き状態でも、針が溝に接触し続けるようになっています。

また、以前のWheelシリーズではベルト駆動方式を採用していましたが、Wheel 3は専用に設計された軸流式ダイレクトドライブモーターが採用され、安定した音楽の再生を可能にします。

Wheel 3は、テーブル上に水平に設置するだけでなく、新しいアルマイト加工のアルミ製スタンドを使って縦置きにしたり、背面のマウントを使って壁に掛けたりして使うこともできます。また本体には電源用のUSB-C端子、右側にはステレオミニジャック用の端子などがあります。

ほぼターンテーブルだけに見えるミニマリスティックな外観に、ユニークな機能を詰め込んだWheel 3は、どこかレトロで落ち着いた雰囲気。ブックシェルフの空きスペースなどに設置して音楽を再生するのもまた良いものかもしれません。

Miniot Wheel 3 は、公式のウェブページで50万8200円で販売されていますが、手作業で生産されているため、注文から出荷までには約10週間がかかるとのことです。

以下では、Wheel 3のように個性的なターンテーブルをいくつかご紹介します。

〈PICK UP!〉個性的なターンテーブル3選

PICK UP①
  • 東芝ライフスタイル
  • Aurex AX-RP10

  • 税込み17,260円(Amazon)
  • コンパクトでもSN比60dB以上の高音質

  • 東芝のオーディオブランドAurexが販売するRP10は、BluetoothスピーカーやBluetoothヘッドホン/イヤホンで音楽を楽しめるポータブルレコードプレーヤー。直径109mmながら重量のあるダイキャストアルミ製ターンテーブルが回転ムラを抑え、SN比は60dB以上を謳っています。

    レコードプレーヤー初心者のユーザーでも扱いやすく、再生が終わるとターンテーブルが自動停止するため、バッテリー消費や針の無駄な摩耗を防止します。また再生中は本体上部にレコードジャケットを立てて飾れるため、音楽をアートワークとともに楽しめます。

駆動方式:ベルトドライブ
プレーヤー仕様:DCモーターベルト駆動、SN比:60dB以上(JIS-A)、MM型カートリッジ
Bluetooh:Ver.5.4、SBC / LC3コーデック対応
出力端子:3.5mmステレオミニ端子、USB-C(充電用)
バッテリー容量と再生時間:2000mAh、約10時間
サイズと重量:60×74×300mm(突起物含む)、約1.2kg
PICK UP②
  • TEAC
  • LP-R550USB

  • 税込み52,816円(Amazon)
  • CD/カセットテープにダビングできる全部入り

  • 33/45回転に加え78回転のレコードの再生に対応、ほかにもFM/AMラジオ、カセットレコーダー、CDレコーダーも搭載するマルチプレーヤーです。レコードだけでなくカセットテープの古いエアチェック音源などをCD-R/RWに録音でき、デジタル化して保存できます。

    レコードプレーヤー用の針は33/45回転のLP/EP用サファイヤ針が付属。別売りのSP専用交換針(ダイヤモンド)で、78回転のSP盤も、より忠実に再生可能です。また、USBでPCに接続すれば、再生中のサウンドを任意の録音ソフトでオーディオファイルに変換できます。

レコード部:DCモーターベルト駆動、SN比:50dB(IHF-A)
カセット部:周波数特性125~10kHz、S/N比 45dB
CDレコーダー部:CD-DA,CD-R,CD-RW対応
ラジオ部:AM 522kHz~1629kHz/ FM76MHzから90MHz
入出力端子:アナログ(RCA)端子、3.5mmステレオミニ端子、USB-ype-B(PC接続用)
サイズと重量:470x230x390mm(突起物含む)、11kg
PICK UP③
  • AIWA
  • aiwa audio -G MCA1 GAA4-MCA0001

  • 税込み37,213円(Amazon)
  • CD/FM再生、カセット/USBメモリー録再が可能

  • アナログレコード再生、CD再生、ダブルカセットデッキ(ダビング対応)、Bluetoothレシーバー、USBメモリーへのMP3録再機能を搭載する多機能マルチプレーヤー。セパレートスピーカーは単体でBluetoothスピーカーとして使えるため、スマートフォンからの音楽再生にも対応します。

    カセットやCD、ラジオで再生中の音をカセットやUSBメモリーに録音することが可能(MP3形式、推奨16GBまで)なほか、RCA出力端子から外部のアンプやアクティブスピーカーに接続しての再生も可能です。

レコード部:33/45回転
カセット部:ダブルデッキ搭載、60分までのテープを推奨
CD部:CD-DA,CD-R,CD-RW(いずれも再生のみ)
ラジオ部:FM76MHz~108MHz(ワイドFM)
USBメモリー:MP3形式での録音と再生に対応
入出力端子:RCA出力端子、3.5mmステレオミニ端子、3.5mm入力端子、USB-A
本体のサイズと重量:約318×約285×約293mm、約4.35kg

こちらの記事もどうぞ

ライター兼クリエイター
Taniguchi Munenori
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPANほか

  • LINEの友達登録をお願いします!

    LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!

    友だち追加

    XでMoovooをフォロー!