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「誰がゴミって言い出した?」
利便性や効率を重視してきた生活に「なぜ」「そもそも」「もしも」と、素直に問いかけ、悩み、考える。そんな場を提供してくれるイベント「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2023」が開催された。
イベントは、百貨店などの装飾ディスプレイを手がける大手船場が主催し、38社のパートナーが集った。
船場は「これからの社会に求められるのは関わる人や地域、自然環境まで及ぶ思いやりのある消費。『つくる 』だけでなく『つかう』や 『すてる』という行為まで含んだ、言わば生活のデザインだ」と語る。
会場にはそんな未来に優しい素材として「エシカルマテリアル」が、多数展示されていた。
海洋プラスチックをはじめ、複合プラスチックの素材のリサイクルは、さまざまな課題があると言われている。株式会社Remareは少量で種類もバラバラの廃プラスチックから商品を生み出す仕組みを構築し、プラスチックの廃材に焼却、埋め立て以外の選択肢を与えている。
その時に回収したものから作るため、色や柄は一つとして同じものはないという。
アーティスティックな新素材となり、机や時計、ボールペンなどに生まれ変わっている。
株式会社エクシィズは天然素材にこだわりレンガやタイルなどの建材を開発し、提案してきた。トヨタ自動車の工場が集まる愛知県豊田市には、市内のごみや焼却灰を活用したタイルを建材として提案。このタイルは公立中学校の玄関床にも使用されているという。
日本の商業施設は、施工から解体・廃棄までの寿命が平均して5〜10年だという。Linkはまだ使える商業施設がさまざまな理由で解体・廃棄されることへの違和感から生まれたプロジェクト。
これまでは廃棄されていた木・金属・ガラスなどの建材を細かくし固めることで、新たな建材に生まれ変わる。粗い粒は模様に、細かい粒は着色剤になり、複雑な表情を生み出している。
筆者がゴミだと思い捨てているものが、普段何気なく触れていたり、目にしているものに新しく生まれ変わっていることを体感できるイベントだった。ゴミを「減らす」ではなく、新しい技術を発明して「ゴミそのものの概念を払拭する」という考え方にハッとさせられた。
イベントの主催者である株式会社 船場 エシカルデザイン本部の福島 正和さんに話を聞いた。
福島さんはゴミを減らすことを徹底しているうちに、ゴミとゴミでないものの境界線を意識するようになったという。ゴミの境界線をなくし、いつかゴミを「資源」と呼ぶ。そんな地球に優しい循環型の社会にしたいという思いからイベントの開催を続けている。
エシカルデザインのイベントは、意識の高い人だけが参加するものでいいのだろうか。
福島さんは、暮らしの中で気づき、クエスチョンを持ってもらえるようなイベントにしたいと、語る。今回のイベントから一般客も来場できるよう門戸を広げたのもそのためだ。
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イベント会場では、展示ブースの他、体験型ワークショップ、DJステージなどもあった。親子連れや友だち同士が思い思いに楽しむ姿が見られた。
次回のエシカルデザインウィーク、家族や友人と参加してみてはいかがだろう?