テクノロジーと情熱がハンデを超越する？ 障害を持つピアニストの挑戦 「だれでも第九」コンサート

2023年12月21日にサントリーホール ブルーローズで開催された「だれでも第九」コンサート。障害を持つ3人のピアニストが、オーケストラ、合奏団と共に第九の演奏に挑戦した。

3人が使用したのは、ヤマハ株式会社と東京藝術大学の研究グループが共同開発した「だれでもピアノ」だ。

旋律に合わせて伴奏とペダルが自動追従

「だれでもピアノ」は、鍵盤の旋律に合わせて伴奏とペダルが自動追従するピアノ。この技術によって、ハンデ・経験・年齢などに関係なく誰もがピアノ演奏を楽しめるという。

「だれでも第九」コンサートではさらに、オーケストラと合唱の中でもピアノが際立つ「超・低遅延発音」の導入や、3人それぞれの弾き方を踏まえた技術も追加された。

「だれでもピアノ」を演奏したのは、生まれつき右手に欠指の障害を持つ東野寛子さん、先天性ミオパチーにより身体を動かすことが困難な古川結莉奈さん、脳性麻痺により両手足に障害を持つ宇佐美希和さんだ。

コンサートでは、3人のリレー形式で第九全4楽章を見事に完奏。音楽への情熱が伝わる演奏に、130人の観客から大きな拍手が送られた。コンサートの様子はYouTubeから視聴できる。

情熱とテクノロジーがハンデを超越する？