傘の捨て方は自治体によって変わる 長持ちさせる方法と交換の目安も紹介
傘の捨て方は、地域によって違いがあります。壊れたときはルールに沿って適切に処分しなければなりません。自治体によっては、不燃ゴミで出せる場合もあれば、粗大ゴミで出さなければならない場合もあります。
傘の状態によっては、捨てる以外にも寄付したり買い取りをしたりしてもらえる場合があります。
本記事では、傘の捨て方や分解方法のほか、寄付や買い取りについても紹介します。また交換目安についても触れるので、傘の処分方法で困っている人は参考にしてください。
傘の処分は大きな環境問題
日本で消費される傘は年間約1億2,000万~1億3,000万本といわれており、その6割以上にあたる年間8,000万本の傘が使い捨てのビニール傘です。
自治体の多くは、ビニール傘を不燃物ゴミとして扱っています。しかし、ビニール傘の大半は布やプラスチックでできていることから、オールプラスチックの傘は「燃えるゴミ」としている自治体もあります。自治体によって、処分方法が異なるため、自分の住まいの自治体については、市役所で確認してみましょう。
最近では、ビニール傘に使われるビニールの代替として、再利用ができる素材や、焼却してもダイオキシンを発生しない素材が使用されはじめています。ビニール傘の処分は、地球規模の環境問題であるプラスチックゴミの増加にもつながるため、社会的な配慮が求められています。
傘の捨て方
傘の捨て方は、地域によって変わってくるため、事前の確認が必要です。おもな処分方法は、不燃ゴミ・粗大ゴミなどに出す方法や寄付・リサイクルする方法です。
不燃ゴミ|自治体によって変わるので要確認
多くの自治体が、傘を不燃ゴミに指定しています。自治体によって、収集方法が異なり、指定の回収ボックスを設置している場合とバラバラにした素材ごとに収集する場合がほとんどです。傘には、雨を防ぐ生地の他、プラスチックや金属など、さまざまな素材が使用されています。
自分の住んでいる自治体では、傘の処分がどのように指定されているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
粗大ゴミ|50cm以上の傘
傘は長さがあるため、自治体によってサイズが大きすぎる傘は不燃ゴミとしてではなく、粗大ゴミとして扱われる場合があります。ほとんどの自治体では、50cm以上の長さがある傘を粗大ゴミに指定しています。粗大ゴミとして出す場合には、以下のような手順で処分します。
寄付|まだ使える場合
まだ使える傘の場合は、寄付を受け付けているNPO団体があります。国際的な支援活動を行っているワールドギフトでは、傘をはじめとした不用品の寄付・再利用活動をしている団体です。
使えるけれど処分したい傘がある場合、寄付の申し込みをして、梱包や寄付金の振込をするだけで、本来捨てるはずだった傘が国内外の施設・団体で活用されます。
買い取り|ブランド品の傘で状態のよい場合
ブランド品の傘で、未使用に近く状態のよいものに限って、買い取りをしてもらえます。バーバリーやルイ・ヴィトンといったブランド品で購入価格が高い傘は、高値で買い取ってもらえる可能性があります。
ブランド品以外の傘は基本的に買い取りが難しい傾向にありますが、一度リユースショップやリサイクルショップに問い合わせてみましょう。
専門業者に買い取ってもらえない場合は、フリーマーケットやフリマサイトに出品する方法があります。どうしても買い取ってもらいたい人は、フリマサイトを利用してみるのもひとつの方法です。
不用品回収業者|大量の傘を一度に処分できる
処分したい傘が大量にある場合は、不用品回収業者の利用を検討してもよいでしょう。不用品回収業者に依頼すると、大量の傘を一度に処分できるだけでなく、傘立てや玄関周りの不用品などもまとめて処分できます。
分解したり集積所に持って行ったりする必要がないため、手間がかかりません。引っ越しや大掃除のときに利用すると、傘以外にも大量の不用品を一度に処分できるため、家の中をすっきりさせられます。
捨てるビニール傘の分解方法
ビニール傘を捨てる際に、自治体によってはバラバラに分解する必要があります。ここでは、捨てるビニール傘の分解方法を紹介します。
【捨てるビニール傘の分解方法】
- 準備する道具:はさみ・ベンチ・軍手
傘の種類は、ビニール傘の他にも布の傘もありますが、基本的に分解方法は同じです。自治体によって、ビニール傘のビニールがプラスチックか可燃ゴミに分けられているため、どちらに当てはまるか事前に確認しましょう。
傘を長持ちさせるコツ
傘をなるべく長く使うには、コツがあります。
ここでは、傘の取扱いについて、以下の注意点に沿って長持ちさせるコツをお伝えします。
- 無理な扱いをしない
- まわすのはNG
- 杖がわりにしない
- ハンドクリームのついた手で触らない
- 使用後に強く水切りしない
- 強くたたみ過ぎない
- 車中に放置しない
- 濡れたままにしない
無理な扱いをしない
傘は、無理な扱い方をすると、生地が絡んで骨が折れてしまうなどして傷みやすくなります。
例えば、雨が降っていないのに折りたたまずに持ち運んだり、風の強い日に強引に使ったりなどすると、傘に負担がかかりやすく傷んでしまいます。また、傘を開くときにも傷めやすいため、ゆっくり開くように心がけてください。
まわすのはNG
傘をまわす行為は、傘を傷めやすくするばかりでなく周りの人にも迷惑なため、控えるようにしましょう。傘をまわすとハンドルと受骨を束ねるパーツに遠心力がかかり、破損してしまう原因になります。
また、傘をまわして枝や看板などにひっかけると、生地が破れてしまいます。さらに、他人に当たってしまうとトラブルやケガを引き起こすことがあるため、周りの人々への配慮も大切です。
杖がわりにしない
傘は、雨に濡れないために作られているもので、使い勝手を考え、重さを支える強度はあまり考慮されていません。
傘を杖のようについて歩くと、地面との摩擦により、中棒のねじれや石突きの損傷につながります。
ハンドクリームのついた手で触らない
ハンドクリームは、ハンドルの色落ちや劣化の原因になります。付着すると、生地が劣化し傘本来の防水機能も低下してしまいます。
そのため、ハンドクリームのついた手で触らないように日頃から気を付けましょう。
使用後に強く水切りしない
傘を使用した後に水切りをすることがありますが、強くし過ぎると傷んでしまう原因になります。
使用後は、軽く水切りを行い、風通しの良い場所で陰干しすることが望ましいとされています。梅雨の時期などは、使うたびに乾かすのに手間がかかりますが、ていねいに乾かすことで長持ちさせるように心がけましょう。
強くたたまない
傘をたたむ際に強く締めつけると、傘に強いストレスを与えてしまいます。骨や持ち手などは十分な強度があるものの、何度も開閉を繰り返すうちに負荷がかかり、劣化や破損につながります。
傘をたたむ回数が多ければ多いほど、骨や持ち手の劣化が進み、開閉する機能が低下することがあります。そのため、たたむ際は極力強く締めつけ過ぎないように気を付けましょう。
車中に放置しない
傘を車中に放置しておくと、劣化の原因になります。生地は、布やビニール素材でできているため、湿度に敏感です。特に、夏場の車中の環境は、紫外線や高温など、室内の環境と比べて傘が劣化しやすくなります。
また、人の乗り降りや荷物の積み下ろしの際に、傘が変形してしまう場合もあります。そのため、傘は車には放置せず、家の中の保管場所に置いてください。
濡れたままにしない
傘を濡れたままにしておくと、生地の劣化や金属部分のサビの原因となってしまいます。雨のときに使うものなので、どうしても濡れてしまうのは仕方がないですが、保管する際にきちんと乾燥させておくと劣化しにくくなります。
風通しの良い場所で陰干しして、きちんと乾かしてから保管するようにしましょう。
傘の捨て方の例
傘の捨て方の例として、東京都板橋区・神奈川県川崎市・兵庫県西宮市では以下のようになります。
- 東京都板橋区:月に2回ある収集日に、集積所へ不燃ゴミとして出す(出す際には、ゴミ袋などに入れる)
- 神奈川県川崎市:月に2回ある収集日に、集積所へ小物金属ゴミとして出す
- 兵庫県西宮市:週に2回ある収集日に、集積所へ燃やすゴミとして出す
自分の住んでいる自治体で、処分方法を確認したうえで適切に処分しましょう。
まとめ
傘の交換時期の目安はJUPA基準により3~4年ほどとされていますが、使用していて開閉時に違和感を覚えたら「寿命がきた」と考えます。傘を修理に出す際は、購入した店で確認をしてみましょう。傘専門店の場合は、修理を受け付けている場合もあります。その他、傘の修理をしている専門業者が近くにあれば、事前に問い合わせてみるか直接持ち込んで確認をしてみましょう。
傘の骨が折れてしまった場合は、買い替え時です。骨が折れた傘の捨て方は、自治体によって違うため、住んでいる地域に合わせた処分方法が必要になります。各自治体にあわせて、適切に処分しましょう。
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