次の休暇はワーケーションにトライ!協会理事の古地さんが実践方法をアドバイス
目次
となりのMyデスク
コロナ禍を経てリモートワークが定着しましたが、次のステップとして「ワーケーション」に挑戦してみませんか?旅行と仕事をかけ合わせた新しい働き方で、休暇の多いこれからの季節にぴったり!今回はワーケーションのプロからのアドバイスをもとに、新時代の働き方を紹介します。
一覧を見る今回のおとなりさんは日本ワーケーション協会理事・古地 優菜さん
古地さんは転勤族である夫のワークスタイルや、2児の母として働き方を模索する中で、決まった場所で定時で働くことの難しさに直面します。
夫の転勤で日本全国を転々とするうちに、各地域の人たちと関わりながらフリーライターとして活動をはじめます。
北海道釧路市に住んでいた時には地元の女性とともに地域活性化の事業を立ち上げたり、現在は住まいのある長崎を中心として日本ワーケーション協会の運営に携わっています。
九州エリアで展開されるワーケーション事業のサポートに加えて、日本全国のワーケーション関連のイベントや講演会へ赴きながら、滞在地で自身もワーケーションを実践しています。
そんなワーケーションのプロである古地さんに、ワーケーション必須ガジェットから旅と仕事の両立方法まで幅広くお話しを伺いました。
古地さんのリモート環境をチェック
項目 |
内容 |
---|---|
リモートで行う作業 |
原稿作成、オンライン取材、遠隔地との商談など |
リモートワーク頻度 |
取材や講演など現地でなければできない仕事以外は9割ほどリモートで対応 |
PC |
MacBook Air |
イヤホン |
協会支給のShokzのOPENCOMM |
通信 |
au回線のポケットWiFi+Docomoのスマホでデザリング |
充電器 |
RAVPowerの急速充電器を愛用。RP-PC112かUSB Type-AとCの2ポートを搭載したRP-PC144を使用 |
リュック |
ZINZのPCバックパックは軽量でジャバラ式のため薄型に収納できる優れもの |
多いときは月の半分ほどを出張の滞在先で過ごすという古地さん。
普段から使っているガジェットはワーケーションを前提とした、持ち運びや軽さにこだわった製品が多いそう。
古地さんは移動にLCCを使うことが多く、機内に持ち込める荷物の重量制限も考慮して、なるべく軽い機種やガジェットを揃えるようにしているとのこと。
そんな、自身も旅と仕事の両立を実践している古地さんに、ワーケーションの現状や自分のライフスタイルに取り込むためのポイントについて伺いました。
経団連が導入ガイド公開!ワーケーションの現状
もともとワーケーションは”ワーク(仕事)”と”バケーション(休暇)”を組み合わせた造語として使われ始めました。
普段と異なる場所で仕事を行うことで、自分にとってよりよいワーク&ライフスタイルを実施するための手段として、コロナ禍のリモートワーク拡大とともに注目を集めてきました。
オフィス以外で働くスタイルが一般化した昨今では、ワーケーションが新しい働き方の選択肢になってきていると古地さんは解説します。
しかし、企業のワーケーション実施は、それほど進んでいないのが現状とも。
企業が社員にワーケーションを認めていくには、まず働く場所の多様化が必要です。そうすると、ワーケーションを希望する社員は自己の幸せや自己実現などのために自発的にチャレンジし、イキイキとしたライフスタイルを目指していきます
組織でワーケーションを制度として導入する際には、経団連のガイドラインを参考にしていくと良いでしょう。
ワーケーションを制度化している企業に注目!
古地さんによると、クラウドサービス関連のアプリ開発を行っている株式会社ジョイゾーでは、既にワーケーション支援制度を採用しているそうです。
・ワーケーション手当:2万円支給
・手当支給条件:滞在中に自社と取引のある会社の製品やサービスを利用すること
・セキュリティ:セキュリティ証明書がインストールされているデバイスのみ使用可
取締役から一般の社員まで幅広くワーケーションを行っていて、この制度を利用して有志で社内研修旅行をする人もいるそう。
旅行中に取引先のサービスを利用することでユーザー目線を養ったり、滞在先にある会社やコミュニティとコネクションを作り営業活動に活かすなど、会社からの補助を最大限活かす取り組みが行われています。
仕事と何かしらの関連性を持たせることも、ワーケーションのハードルを下げるポイントになりそうですね!
隠れワーケターは全体の4割?!
クロス・マーケティングと山梨大学が実施したワーケーションに関する調査によると、テレワークの延長線で場所を変えて働く「隠れワーケター」が多数いることがわかったそう。
会社の制度を利用せず自主的に実施している「隠れワーケーター」も潜在ニーズか
ワーケーションをする人の約4割は隠れワーケターと見られ、社内にワーケーションの制度があっても利用していなかったり、制度そのものがなくても、いつものワークスペースから場所を変えて仕事をしている実態があります。
以前、となりのMyデスクで紹介した旅のサブスク「HafH」でも、登録会員の多くは会社員を占めていて、働く場所の自由度が増えたので、旅行先で働くことでお得に「旅」と「仕事」を両立させたいという意識が働いているようです。
じわじわ増加中!親子ワーケーション
自身も6歳と5歳の子どもを育てる古地さんは、子連れで旅行と仕事を行う”親子ワーケーション”にも積極的に取り組んでいます。
しかし、旅先に子どもを連れて行くと「子守り」と「観光」と「仕事」とタスクが増えてしまい、なかなか成り立たないのが難点。
古地さんはどのように親子ワーケーションを実践しているのでしょうか?
講演会やワーケーション関連のイベントであれば、事前に主催者側に確認を取って、許可が得られれば子どもも一緒に連れていきます。また、最近は子どもも参加できるワーケーションツアーも開催されているので、視察や取材にあわせて親子で参加することもあります。
仕事と家族と旅行のバランスを予め決めておく!
「旅先でもワークの時間をしっかり確保したい」という古地さんは、滞在先で子どもが楽しめる体験やアクティビティを予め用意するようにしています。
3月には新潟県妙高市が実施している親子ワーケーションのツアーに参加しました。子どもたちは自然教育の専門スタッフと一緒に雪遊びの体験をして、その間、保護者は施設の中で仕事ができます。親子ワーケーションは家族だけでは完結しにくいので、保護者の働く時間を確保するためには施設や地域のアクティビティと組み合わせるのがおすすめです。
また、親子ワーケーションを実施する際には目的をクリアにしておくのが良いそう。
1.保護者の働く時間はどのくらい必要か?
2.子どもにも色々な体験をしてほしいか?
3.家族で一緒に色々な体験をしたいか?
家族旅行としての意味合いが強いのか、仕事をしながら子どもと一緒に非日常を楽しみたいのか、取捨選択することが満足度の高い親子ワーケーションにする秘訣になります。
全国に広がる親子ワーケーションの輪
日本全国の地方自治体でワーケーションをサポートする機運が高まっていますが、親子で参加できるワーケーションツアーを提供している地域や施設も出現しています。
古地さんによると次のような親子ワーケーション企画があるそうです。
・妙高ワーケーションセンター:春休みや夏休みに親子ワーケーションを実施。
・徳島デュアルスクール:都市圏の小中学生が、徳島県内の公立小中学校で学べる制度。子どもを持つ保護者の二地域居住や中長期のワーケーション利用者向け。
・保育園留学:北海道厚沢部町の「ちょっと暮らし住宅」に滞在中、提携する認定こども園『はぜる』で子どもを一時預かり。
旅行の意味合いが強いワーケーションから、二拠点生活や移住のお試しとしてのワーケーションまで、全国で親子ワーケターを受け入れる施設が増えてきています。
古地さんにとっての親子ワーケーションとは?
古地さんがワーケーションを行う目的を伺うと、次のような答えが…
全国に『血のつながらない親戚』をつくる。そして、ふるさとのない子どもたちの、心に残る場所を探しています
昔は夏休みだけおばあちゃんの家に子どもを預ける家庭も一般的にありましたが、現代では社会環境の変化で子どもを長期で預けられる場所や機会が圧倒的に減っています。
子どもがずっと同じ環境だけで過ごすことは安心感もありますが、多様性や価値観を広げるという観点では「ふるさと」があることはメリットも大きいです。
「親戚のように、安心して子どもが行き来できる。子どもを預けてもいいと思えるような人や場所を探すには、ワーケーションは適している」と古地さん。
ワーケーションは働くだけ、遊ぶだけではなく、自分らしいライフスタイルや、自分が望む暮らし方を叶えるため場所を見つける方法にもなりそうです。
ご近所で近距離ワーケーションをはじめよう!
フリーランスや中小企業でのワーケーション導入は進んでいるものの、大企業が組織としてワーケーションを取り入れるには時間がかかります。
古地さんに企業勤めの人がワーケーションを取り入れる方法を聞くと、「なにも遠くのリゾートホテルに行くだけがワーケーションではない」と驚きの回答。
日本ワーケーション協会では、視点を変えて「ご近所でワーケーションをしてみる」ことを提唱しているそうです。
ワーケーション地は生活圏から遠い場所でなければならない、ということはありません。どこで仕事をしてもいいのであれば、近所のカフェや地域にある公園に行って仕事をすることもワーケーションのひとつです。さらに、仕事=作業ではなく、仕事やキャリアに関する学びだって仕事のひとつです。カフェでオンライン会議が憚られるのであれば、資格の勉強をしたり、情報収集をすることもいいでしょう。まずは家を出て、近くの地域にある場所で働くことからスタートしてみましょう。
まとめ:次の休暇は、できるところからワーケーションをやってみる
ここまで日本ワーケーション協会理事の古地さんにワーケーションへの取り組み方法について伺ってきました。
個人でワーケーションを行っている人はいるものの、会社や組織の仕組みとして導入が待たれる現状がわかりました。
けれど、夏休みや年末年始などの長期休暇なら、仕事と旅行の両立を試してみるには良い機会になりそうです。
さらに、古地さんおすすめの近距離ワーケーションなら、今週末からでも気軽に実践できそうですね!
家でのリモートワークだけでなく、ワーケーションも活用しながら新しい働き方に挑戦してみてください。
今後も【となりのMyデスク】では、多様な働き方を実現するためにプロのアドバイスを紹介していくので、ぜひご期待ください!
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