〈プロ解説〉羽毛布団の寿命は? 長く使うコツやおすすめ商品5選を紹介
羽毛布団は家庭で広く使われている寝具ですが、買い替えやリフォーム(仕立て直し)のタイミングはいつなのか、意外に知らない方も多いようです。
SDGsの達成を目指す現代においては、使い捨てをやめ、よいものをできるだけ長く使うことが求められます。羽毛布団もよい素材を選び、定期的なメンテナンスをすれば長く使えるのです。
そこで今回は、羽毛布団の寿命や長持ちさせる方法、快適な睡眠を得るためには何を基準に選べばいいのかをご紹介します。
目次
▼ 寝具の役立つ情報を紹介
まずはプロおすすめ、羽毛布団2選
おすすめポイント
ドイツ製Weidmann社の69g/㎡と超軽量で通気性の高い綿100%の側生地を採用。軽くしなやかで、柔らかさは抜群です。羽毛は手選別でゴミを究極まで減らし、ダウン率98%を実現。最高級のポーランド産ホワイトグースを800g入れています。ダウンボールが大きく、しかもステッキーという絡みの強い羽毛であるため、保温性に優れ長持ちするのが特徴です。
おすすめポイント
3cc以上という高通気度で、国産の綿100%では最軽量クラス、85g/㎡の超長綿生地を使っています。羽毛は良質なホコリの少ないステッキータイプのポーランド産ホワイトグースで、ダウン率は95%です。完全立体キルトと呼ばれる特殊縫製で、マス目の間を羽毛が移動して片寄ることがありません。
羽毛布団の寿命、10年が目安
筆者提供
羽毛布団は一生モノといわれたこともありますが、毎日使うものなので10年を寿命の目安にしてください。羽毛を包む外側の側生地(がわきじ)が汚れたり、かさが無くなったり、羽毛が飛び出してきたりしたら寿命のサインです。
ただ、定期的に丸洗いして、リフォームをすることによって、長く使い続けることができます。羽毛の質がよいものであれば、50年以上使うことも可能です。
長持ちさせるには?4つのポイント
羽毛布団は定期的な手入れで長持ちさせることができます。リフォームを考えている方もぜひチェックしてみてください。
① カバーを必ず使い、こまめに替える
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側生地に汚れを付けないためにも、カバーは必ず使いましょう。中で布団がずれないように、紐やスナップが8か所付いているものがおすすめです。
また、カバーを洗濯しないでずっと付けたままでいると、汚れが布団に移り、こびりついてしまいます。こまめにカバーを洗って替えることも大切です。
② 月に一度程度は天日干しする
羽毛布団は、天日干しを避けた方がいいと説明されることも多いのですが、月に一度ぐらいは天日干ししましょう。外に干すとPM2.5や花粉などアレルギー物質が付着することもあるので、ベストは日当たりのいい部屋での室内干しです。
ポイント解説
日に当てることができない場合は、布団乾燥機を使って、常に乾燥させておきましょう。
③ 3年に一度、水洗い・丸洗いをする
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羽毛布団の多くはドライクリーニング表示がされていますが、ドライクリーニングでは羽毛そのものの汚れは落ちにくいので、水洗いがおすすめです。羽毛布団の水洗い対応のクリーニング店で丸洗いすることができます。
ただ、頻繁に水洗いすると、羽毛の油脂分が損なわれ耐久性が低下します。逆に長く洗わないままだと、汚れが蓄積してしまい、リフォームするときに汚れが取れにくくなるのです。3年に一度くらいのペースで、定期的に丸洗いすることが長持ちにつながります。
④ 10年に一度はリフォームをする
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羽毛布団のリフォームは丸洗いとは異なり、布団を解体して、羽毛を洗浄し、不足した羽毛を足して、新しい側生地で作り直します。ほぼ新品のようによみがえります。
リフォーム前
リフォーム後
リフォームの方法にも種類があり、日本羽毛製品共同組合ではその内容によって3段階に分類しています。
3段階の中では、羽毛を直洗いするプレミアムダウンウォッシュ仕上げがおすすめです。水が羽毛に浸透してきれいに洗えます。10年に一度だからこそ、しっかりした仕立て直しができるところを選びましょう。
羽毛布団を買い替える際の注意点
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羽毛布団は1万円程度のものから、アイダーダウンなど100万円以上する高級品まで、価格も品質も実に多様です。どのレベルのものを買えばいいのか、非常に迷います。買い替える際に注意するポイントを2つご紹介します。
① 品質がよく、ダウンパワーのある羽毛かどうか
飼育環境や飼育期間が不十分な羽毛は、羽毛の粒(ダウンボール)が未成熟なものが多く、長く使用していると羽毛が壊れて羽毛ゴミとなり、かさ減りが早くなります。リフォームを行っても中々かさが戻らず、リフォームに耐えられないことも多いのです。
一方、よい羽毛はよい環境で時間をかけて育てられるので、ダウンボールが大きく育ち、使っていても壊れにくく、リフォームによって長く使うことができます。
筆者提供
羽毛の有名な産地にポーランドがあります。ポーランドは鳥を丁寧に育てる個人農家が多く、よい羽毛の取れる産地です。
ただ、必ずしもポーランド産だからよいものとは限りません。中には他国産の低級な羽毛を混ぜてポーランド産として表示されているケースもあり、産地だけで判断しない方がいいでしょう。
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羽毛はグース(ガチョウ)とダック(アヒル)から取られますが、グースの方が大きく育つので、大きなダウンボールが得られます。そのため、一般によい羽毛はほとんどがグースです。ホワイトやグレーといった色による品質の違いはありません。
羽毛の品質を測る数値に、ダウンパワー(dp)があります。数字が大きいほど、かさがある=ダウンボールが大きいことを示します。こちらも数字を鵜吞みにするのは危険ですが、400dp以上の羽毛であれば、しっかりしているので、長く使えると判断していいでしょう。
② 軽くて、通気度が高い側生地を選ぶ
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特に側生地選びは重要です。結論からいうと、軽くて、通気性や吸湿性のよい綿100%がおすすめです。綿100%であっても、生地が重いと生地自体に湿気を含むため、速暖性が損なわれます。
生地重量が100g/㎡以下の、軽くて通気度が高い側生地を選ぶようにしましょう。ただ、生地の重量や通気度は表示されていることが少ないので、購入前に店舗などに確認することが必要です。
ポイント解説
また、側生地にポリエステルなどの合成繊維が使われることが多くなりました。ポリエステルを使った側生地は、吸湿性と通気性が低く、蒸れやすい羽毛布団になります。
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高級品ほどふっくらした仕立ての羽毛布団が多いのですが、この数十年、日本の住環境は高気密高断熱化が進みました。このような住環境では、今まで標準とされてきた厚さでは暑く感じることが多く、少し薄めに仕上げた方が快適です。
ましてや、二層キルティングなどのふっくらしたかさ高の羽毛布団は、確かに暖かいかもしれませんが、蒸れることが多いため、快適とはいえなくなってきています。
ポイント解説
快眠に最適な寝床内の温度33℃/湿度50%を実現するためには、主に側生地の性能と、寒がり・暑がりなど使う人にあわせたキルティングや羽毛の量を選ぶことが大切です。
〈編集部PICK UP〉注目の羽毛布団
Moovoo編集部
数ある羽毛布団の中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの商品を紹介します。
- 日本寝具通信販売
-
羽毛布団
- 税込み57,800円(Amazon)
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抗菌アレルGプラス加工で快適に
-
抗菌防臭に役立つアレルGプラス加工で、長く快適に使用できます。側生地はやわらかくなめらかな肌触りの超長綿です。
羽毛はすべて国内で洗浄し充填。不純物を取り除くファインアップ加工が施され、本来の性能を発揮します。
外観 |
商品名 |
特長 |
ダウン種類 |
ダウンパワー |
ダウン率 |
キルティング |
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【筆者おすすめ】眠りのプロショップSawada 羽毛掛布団 TE270-56P-PPST98-SL |
長く使える高品質な480dp |
ポーランド産ステッキーホワイトグース(800g) |
480dp |
98% |
5×6マス立体キルト |
|
【筆者おすすめ】眠りのプロショップSawada 羽毛掛布団 S91-56P-PST95N-SL |
ダウンボールの大きい良質な羽毛 |
ポーランド産ステッキーホワイトグース(800g) |
430dp |
95% |
5×6マス立体キルト |
|
東京西川 西川プレミアム NP7052 KA07756023GR |
フレッシュアップ加工でふくらみアップ |
ポーランド産ホワイトグース(800g) |
記載未確認 |
93% |
立体キルト(四角形と三角形を組み合わせたグランポリゴンキルト) |
|
生毛工房 本掛け羽毛布団「生毛ふとん」 PR410M |
暖かさが増す立体マチとキルティング加工 |
ポーランド産ホワイトグース(1100g) |
400dp |
95% |
5×6マス立体キルト |
|
日本寝具通信販売 羽毛布団 |
抗菌アレルGプラス加工で快適に |
ハンガリー産ホワイトマザーグース(1100g) |
440dp |
95% |
記載未確認 |
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