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一見普通に見えるこのスーツケース、実は最新技術で視覚障がい者の移動やコミュニケーションを支援する「AIスーツケース」だ。
AIスーツケースの開発に取り組むのは、アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本アイ・ビー・エム、三菱自動車工業の5社が共同で設立した「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」。
カーネギーメロン大学客員教授の浅川智恵子氏の技術統括のもと、設立5社をはじめ複数の企業・大学・団体が参画し、最先端の知見が集結。このほど商業施設「コレド室町」で実証実験が開始された。
視覚障がい者を目的地まで安全に誘導
AIスーツケースは、視覚障がい者の「移動支援機能」と「行動・コミュニケーション支援機能」の大きく2つを備えている。
移動支援機能では、位置情報と地図情報から目的地までの最短ルートを探索。まるでリードでつながった盲導犬のように、AIスーツケースが視覚障がい者を目的地まで誘導してくれる。
カメラ映像とセンサーによる空間・状況認識機能で障害物を避け、人との適切な距離を保持できる。また、状況に応じて音声と振動で周囲の情報提示や注意喚起も行う。
顔認識技術でコミュニケーションを円滑に
行動・コミュニケーション支援機能では、まずAIとの音声対話機能で周辺スポットを簡単に検索可能。店舗で商品を購入する際はレジまでの誘導もしてくれる。
レジ待ちの行列ができているときは、空間・状況認識機能によって適切な距離を保ちながら列に並ぶことが可能だ。
AIスーツケースはさらに、最新の顔認識技術も搭載。知人がいたらその位置(方向と距離)や表情、様子を視覚障がい者に伝え、円滑なコミュニケーションをサポートする。
以上の基本機能に加え、新型コロナウイルスによるパンデミックを受けて、ソーシャルディスタンスの確保や周囲の人のマスク着用・非着用の判断、商品タグのRFID認識および読み上げ機能なども新たに追加されている。
次世代移動支援技術開発コンソーシアムはAIスーツケースの実装化を目指すとともに、その過程で得た知見が、将来的にスマートモビリティやサービスロボットなどの技術にも応用されることを期待しているという。
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視覚障がい者を支援するAI・ロボット技術が、いずれ社会全体に役立つ存在になるかも!
一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム