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東日本大震災をきっかけに注目を集めるようになったクラウドファンディング。「身近な人がプロジェクトを立ち上げたことがある」という人も多いのではないだろうか。しかし、そもそもクラウドファンディングとは何なのか、どんな利用方法があるのかを意外と分かっていない方もいるかもしれない。
また、クラウドファンディングの普及に伴い、プロジェクトを立ち上げるためのクラウドファンディングサイトも増加。それぞれに特徴がある。
今回は、クラウドファンディングの基礎知識から、国内・海外のプラットフォームの特性、今後の展望について見ていこう。
クラウドファンディングとは
「クラウドファンディング(Crowdfunding)」とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。インターネット上でプロジェクトを立ち上げ、協力を呼びかけ、資金を集めることを指す。
優れた商品・サービスのアイデアがあったとしても資金が集まらないケースは少なくない。そんな時、クラウドファンディングサイトを介して世の中に広く呼びかけ、共感を得ることで広く資金を集めることができる。
多数の人々に出資を呼びかけるために、個々の出資額は少なくとも、一定規模の資金を集められる点が最大の特徴。銀行からの資金調達が困難な創業期の企業・個人にとって極めて有効な手段と言える。企業の商品やサービスだけではなく、社会課題を解決するためのプロジェクトや、アーティスト・研究者の活動、被災地支援など、多様な資金需要に活用できる点も魅力。
また、クラウドファンディングを立ち上げることで、資金調達だけではなくPR、マーケティングの効果も期待できる。
どんな利用方法がある?
クラウドファンディングは大きく分けて3つに分類することができる。一つずつその特徴を見ていこう。
3つのタイプのなかで最もメジャーなクラウドファンディングは「購入型」だ。モノやサービス、権利という形でのリターン(特典)を得ることができるタイプだ。
多くのプロジェクトは受注生産であるため、経営の観点から見ても効率が良い。まだ世に出ていないモノ・サービスが受け入れれられるかどうか、マーケティングの観点でも大いに活用できる。クラウドファンディングを通じてプロジェクトを訴求することで顧客ニーズの喚起を図り、反応もダイレクトに把握できるため、世界的に中小企業が資金調達に積極的に活用し、急成長を遂げている。
社会的な意義や創造あふれるプロダクトなど、資金提供者が応援したくなるサービス・プロジェクトに向いていると言える。
投資型のクラウドファンディングは、株式などの購入で資金を提供する代わりに、株式の売却換金や配当金、株主優待を得られる。利用する企業数は、購入型と比較すると少ないが、金銭のリターンを求める投資家の需要を取り込める点が魅力だ。
寄付型は資金を無償で提供するタイプのクラウドファンディングだ。慈善目的などで寄付金を集めることを目的とするため、金銭・商品・サービスのリターンは想定されていない。しかし、支援に対する充足感や社会的な価値向上が対価ともいえる。
従来の寄付との大きな違いは、インターネットを通じて寄付先のプロジェクトの詳細や進行、資金の使用用途を確認できる点。
なお、資金を寄附として提供するため、確定申告の際に「寄付控除」を受けることもできる。
日本の主なクラウドファンディングサイト
このように世界的な広まりを見せているクラウドファンディング。日本でもクラウドファンディングサイトの開設が相次ぎ、数多くのプロジェクトが生まれている。これらのクラウドファンディングサイトのなかでも歴史があり、個々のプロジェクトの資金調達額も多いサービスについて詳しく見ていこう。
海外の主なクラウドファンディングサイト
海外におけるクラウドファンディングの市場も年々拡大傾向にある。世界的に有名なクラウドファンディングサービスをいくつか見ていこう。
今後クラウドファンディングはどうなる
世界のクラウドファンディング市場規模(プロジェクト支援金額)は、2012年の27億ドルから、2015年には344億ドルと3年の間に10倍以上の規模にまで成長。世界銀行の推定では、2020年までに900億ドル規模にまで成長するとの見方もあるほどだ。
クラウドファンディング市場の拡大には、単にお金が集まり経済効果が見込まれるだけではなく、革新的なモノ・サービスの増加や、寄付の定着など、私たちの社会・生活を豊かにしてくれる大きな効果が見込める。今後の成長にさらに注目したい分野だ。