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iPadがもたらしたのは、紙では実現できない教育だった。
洗足学園音楽大学の付属校である、私立洗足学園小学校。私立なだけあって、教育要領や学習指導要領に沿わない、独自の授業方法を導入している。
学校の授業の必需品といったら、ノートとえんぴつが一般的。しかし、洗足学園の生徒たちはノートをiPadに、えんぴつをApple Pencilに置き換え、アプリを駆使した日本の学校教育の一歩先を行った授業を受けているのだ。
国語算数理科社会は、ほとんどiPad
今回、実際に授業を見学したのは2年生と5年生。
2年生の授業は国語で、グループに別れて紙コップなどを用いておもちゃを作り、その説明をアプリの「Keynote」で作る授業。「わかりやすくせつめいしよう」というテーマで、グループでの作業がはじまった。
各チームは、おもちゃ作り担当、制作風景の撮影担当、説明作り担当に分かれ、協力しながら作業を進めていった。それぞれの担当が協力しあい、チームワークを養う授業となっていた。
5年生の授業は歴史。歴史上の人物を使って、オリジナルのカルタを作るという授業だった。文字札と絵札をそれぞれ作っており、絵札の素材はネットからフリー素材を集めてきて、ブラウザを使ったり、iPadの画面分割機能を駆使して自由に作っていた。
ちなみに見学はできなかったが、体育の授業でもiPadを導入しており、走っているときのフォームをアプリで確認したりと、まるでプロ選手の練習のような授業が行われているとか。
iPadで積極的に授業が回るように
なにかを発表するときは手を挙げるのが、おなじみの授業風景。ただ、人目を気にして、なかなか手を挙げられなかったりするので、シーンと静寂が流れたりしがち。
しかし、ここは洗足学園。生徒ひとりひとりがiPadを持っている状況を活かし、先生向けのアプリ「クラスルーム」を活用。
先生のiPadに、全生徒のiPadの画面をリアルタイムにサムネイル表示できたり、先生と生徒間でファイルを共有したり、Apple TVを使って生徒の作品をプロジェクターに投影できる。
そのため、投影された作品を見て、わいわいと盛り上がるようになった。
他の子のアイディアから学んで学習が進んだりと、紙のノートとえんぴつとチョークでは実現できない、デジタルならではの効果を発揮してくれるようだ。
iPadを使い始めるのは2年生から。
なお、洗足学園小学校に入学して、いきなりiPadを使った授業になるかというと、そうではない。1年生は紙のノートと教科書で学び、2年生の半ばから持たせるという。3年からは専科制になっており、先生ごとに独自に考えたiPadを活用した授業を受けていく、という流れのようだ。
ちなみに、国語・算数・理科・社会・体育と、ほとんどの授業でiPadが使用さているが、漢字の授業はノートの出番。やはり、漢字を覚えるなら書き取りが良いようだ。
ちなみに、購入代金は保護者負担。業者とやり取りして買ってもらい、卒業したらそのまま家庭のものになる。導入の費用に関しては、保護者から不満の声はなかったという。
ICT(情報通信技術)で変わっていく日本の教育現場
洗足学園小学校では、iPadの導入によって教育現場にどんな変化があったのか?
教頭の赤尾先生は「子どもたちの学び方が変わった」ことだという。
今までは、一方的に先生が黒板に情報を書いて発信していたようなものだが、iPadを導入したことで双方向になり、子どもたちだけでも自主的に授業が進むようになったとか。
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人目を気にする子が発表しやすくなったりと、ICT(情報通信技術)と教育の掛け合わせは、恩恵が大きいようだ。2020年の教育改革で、こんな授業風景が当たり前になっていくのかも?