〈プロ解説〉スリング、おすすめ7選 新生児から3歳頃まで長く使える
赤ちゃんを布で包むように抱くことのできるスリング。「少し難しそう…」「赤ちゃんが小さい頃しか使えないよね」と思われがちですが、そんなことはありません。新生児〜3歳頃まで使え、抱く人の体格にも適応しやすく、赤ちゃんもよく寝てくれることが多い優れモノです。
この記事では、抱っことおんぶの専門家の柳川友紀さんに、スリングの選び方やおすすめ商品を紹介していただきました。ぜひ参考にしてください。
まずはプロおすすめ、スリング3選
柳川友紀さんがおすすめする、スリングを紹介します。
① 北極しろくま堂 キュットミー!823
高い体重分散性とホールド力
おすすめポイント
国内ブランドの中でも特に使いやすいスリング。北極しろくま堂は、養育者と赤ちゃんが安心・快適で心地よい関係性をもてるようサポートする布製抱っこ紐を作っているメーカーです。スリングを含めたさまざまな抱っこ紐の使い方をお伝えする仕事をして10年目になる筆者ですが、しろくま堂のスリングを試着したママさんの表情がパッ!と明るくなる瞬間を、これまで何百人も見てきました。抱っこがピタっとはまったその瞬間が、非常にわかりやすいスリングだなと現場で体感しています。
キュットミー!823着用写真※約65cm・4kgの赤ちゃん人形を使用(筆者提供)
おすすめポイント
スリングは「薄手」「中厚」「厚手」と、布の厚みを選べるようになっています(それぞれ特徴がありますが、布の扱いに慣れていない方でも扱いやすいのは「薄手」だなと筆者は感じています)。スリングに使われているナイロンのリング(自社開発)にも特徴があり、耐荷重400kg以上のテストをクリアし、10年分の紫外線照射にも耐久性があります。布との摩擦も適度で扱いやすく、「少し不器用なんですが…」とスリングを使うことに不安がある方も使いやすいようです。肩パッドがついているので、肩部分にクッション性があるほうが安心!という方にもおすすめです。生後2週間目から16kg(約3歳)まで使用できます。YouTubeチャンネルや公式LINE、Instagramなどで、スリングの使い方をサポートしてくれます。
▼使い方を紹介する公式動画
② DIDYMOS(ディディモス) ディディスリング
ディディスリング着用写真※約65cm・4kgの赤ちゃん人形を使用(筆者提供)
肩や腰への負担が少なく、快適な抱き心地
おすすめポイント
ドイツの布製抱っこ紐のブランド・ディディモスのスリングは、大きな子を抱っこしても肩に布がくい込みにくく、快適な抱き心地が魅力です。一枚布で抱っこ・おんぶができる織布で作られていて、引き締めやすく、体重制限がないこともポイント。色柄も充実のラインナップで、公式オンラインショップを覗くと目移りしてしまう方も少なくありません。布の厚みや素材(コットン、麻、シルク、ウールなど)もさまざまで、肌当たりなどにこだわって選びたい方におすすめです(年間通して使いやすいのは、コットン・麻素材かなと筆者は感じています)。
ディディスリング着用写真※約65cm・4kgの赤ちゃん人形を使用(筆者提供)
おすすめポイント
ストレッチタイプのスリングも発売されていますが、程よい伸縮性があり、ホールド感に優れています。ストレッチ機能は、サポート力を兼ね備えていて、適度な伸縮性が体のカーブに自然とフィットしてくれます。少ない力でも装着できるので産後ママにも扱いやすく、圧迫に敏感な赤ちゃんにも安心です。サポートシステムも充実していて、アドバイザーによる抱っこおんぶ講座、オンライン無料セミナー(不定期)などの案内が、公式サイトに掲載されています。
ディディスリング(ストレッチ素材)着用写真※約65cm・4kgの赤ちゃん人形を使用(筆者提供)
③ MIRI SLING スリング
MIRI SLING着用写真※約65cm・4kgの赤ちゃん人形を使用(筆者提供)
ナチュラルな着こなしにも使える
おすすめポイント
「ママのように強くて優しいスリング」というコンセプトで作られているMIRI SLING。2022年に販売開始された新しいブランドで、使用している方に講座で出会ったことから知ったスリングです。日本のブランドにはめずらしい、肩を広く覆える構造になっているため、体格のしっかりしたパパとも共有しやすいのが特徴です。すべてのスリングにコットンとリネン混合の布が使われていて、リネン特有の吸水性と通気性が期待できます。年々暑さが増して、湿度も高い日本の夏には、メリットが大きいアイテムでしょう。カラーラインナップがシンプルで、コーディネートの邪魔をしにくいところも、ファッションを楽しみたい家族にはうれしいポイントです。スリングの正しい使い方については、Instagramなどでアナウンスをしていて、無料オンライン講習のサポートもしています。
筆者提供
スリングの選び方、Q&A
スリングの選び方について、Q&A形式で3つ紹介します。
Q1、長く使いやすいスリングを選ぶには?
筆者提供
柳川 友紀さん
スリングにはさまざまな種類があります。赤ちゃん用品店の店頭には、布が輪っか状になっているパウチ型スリングや、バックルやファスナーでサイズ調整をするスリングなどが並んでいますが、新生児〜3歳頃まで使いたい場合におすすめなのは、リングスリングです。
布の片端にリングが2つ縫われていて、サイズの調整がしやすく、体格差のあるママ・パパでも使いやすいメリットがあります。柔らかい布でつくられているので、親子の体をやさしく包み込むように抱っこすることができ、かさばらないのもうれしいポイントです。
リングから出ている布を引っ張って調整することで、赤ちゃんの姿勢や抱っこの位置を整えられます。また、リングから出ている余った布(テール)を赤ちゃんの首回りのサポートに使うこともできるので、首すわり前も安心して使えます。
ぴったり抱っこすると姿勢を安定させることができ、背中〜お尻の自然なCカーブも阻害しません。
筆者提供
少し大きくなってきた赤ちゃんは、抱っこ紐から腕を出したくて暴れることもめずらしくないのですが、布を締めたり緩めたりしやすいリングスリングは、そんなときのサポートもしてくれます。
1〜2歳頃の歩き出した子どもはお出かけ中、少し歩いたら抱っこ、でも抱っこからすぐ降りたがる、の繰り返しになることが日常茶飯事。親が肩からスリングを下げておけば、子どもの要求にも応えやすく、移動時に荷物になりません。
筆者提供
Q2、ラクに抱っこできるスリングを選ぶコツは?
柳川 友紀さん
リングの上部分、抱く大人の肩にあたる布部分が、肩全体を覆える構造かどうか。これが使いやすいスリングを見分けるポイントの一つです。この部分が狭いと、肩〜背中を覆う布が広がらないので、赤ちゃんを抱っこしたあとの負担感が大きくなります。
▼肩の布が狭いスリング
背中側の布が広がりにくいため、負担を感じやすくなります。
筆者提供
▼肩の布が広いスリング
肩の外側まで覆える構造で、背中側の布が広がりやすいため、負担を分散できます。
筆者提供
肩パッドが入っているスリングは、布がくい込みにくいというメリットがありますが、これも同様に肩を広く覆えるものがおすすめです。肩パッドがなくても、肩部分を広く覆えるスリングなら、肩〜背中に布が広がって負担を分散しやすくなります。
肩部分のつくりや縫製は、メーカーによってかなり差異がでやすい部分です。商品選びの際には、装着写真などを確認して、ぜひ参考にしてください。
2歳6か月(約12kg)の子のスリングでの抱っこ(筆者提供)
柳川 友紀さん
肩部分が広がるスリングを選んだ方からは、「子どもが大きくなってもスリングを使いやすい!」と喜びの声を聞くことが多いです。
Q3、スリングを使いこなすためのポイントは?
筆者提供
柳川 友紀さん
サイズ調整の自由度が高く、親子の体にフィットしやすいのがリングスリングの特徴ですが、快適に使用するためには慣れや練習が必要です。
大手赤ちゃん用品店でリングスリングをあまり取り扱っていないのは、使い方をレクチャーできるスタッフがいないことも理由の一つ。
スリングのような布製抱っこ紐は、赤ちゃんの抱き方から使い方まで説明を受けると大変扱いやすくなるので、サポートの機会やシステムを用意しているメーカーの商品を選ぶのがおすすめです。
筆者提供
対面の相談会の開催は減ってしまっていますが、YouTubeで公式動画を公開していたり、最近では、公式LINEでのサポートやInstagramのリールやライブ形式、Zoomでの相談会を行ったりしているメーカーも。
メーカー独自のアドバイザーやコンサルタントが全国にいる場合もあるので、近隣で講習を受けられるか、各メーカーのサイトで事前に確認しておくと良いでしょう。
スリングに限らず、抱っこの方法、抱っこ紐の使い方まで教えてくれる専門家は日本各地にいるので、気になる方は講習を受けてみるのもおすすめです。下記サイトから近くの講師が探せます。
柳川 友紀さん
スリングを使いこなしているパパ・ママは、抱っこを快適に楽しんでいる方が多い印象があります。少しだけコツと慣れは必要ですが、使い勝手の良いスリングを選んで、ぜひ産後の生活にお役立てくださいね。
〈編集部PICK UP〉スリング、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数あるスリングの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
① FILT トンガ・フィット ブラック S CRTG10101
フランス生まれのおしゃれな抱っこ紐
シンプルなチューブタイプのスリングのため、急な抱っこのおねだりにも対応できます。生地は綿100%で洗濯機の丸洗いが可能。いつでも清潔な状態をキープできます。
対象月齢は腰がすわる7か月頃からで、体重15kgになるまで使えます。カラーバリエーションも豊富で、プレゼントにもぴったりです。
② Mughart ベビースリング
幼児期の「ちょっと抱っこ」をサポート
体重6〜20kgまでの範囲で使える、幼児向けスリングです。
扇形に広がって子どもの体重を肩全体に分散して負担を軽減するショルダーパッドと、子どものお尻をしっかり支える幅広ヒップバッドが、抱っこをサポートしてくれます。
サッと取り出して装着し、抱っこできるので、幼児の「抱っこ」「おりる」の要望にも即座にこたえられます。ベルトでサイズ感を調整できるパパママ兼用モデルです。
③ Sola スリング 高級しじら織り
京都生まれのリングスリング
京都の熟練職人がひとつひとつハンドメイドで仕上げている、リングスリングです。布幅がたっぷりとあり、重さが一点に集中せずラクに抱っこできます。
夏涼しく冬はあたたかい「しじら織り」の生地は軽くて丈夫。ネットに入れれば洗濯機で洗えるので、取り扱いも簡単です。
④ DAKKOLT(ダッコルト)ヒッコリー・ブルー
ひとり歩きスタートの時期に、片手抱っこ用のスリング
ひとり歩きが始まる1歳から4歳頃までの幼児を片手抱っこするためのスリングです。本体を肩に斜め掛けして、子どもを座面パッドに座らせるだけで簡単に片手抱っこができます。
体重が10kgを超え、腕や腰に負担を感じ始めた頃にもぴったりです。バックルには外れ防止のゴムが付いているため安心。使わないときはコンパクトに折りたためて、バッグに収納するのに便利です。
外観 |
商品名 |
特長 |
対象年齢・耐荷重 |
本体素材 |
---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】北極しろくま堂 キュットミー!823 |
高い体重分散性とホールド力 |
生後2週~16kg(約3歳)まで |
綿100% |
|
【筆者おすすめ】DIDYMOS(ディディモス) ディディスリング |
肩や腰への負担が少なく、快適な抱き心地 |
新生児〜体重制限なし |
商品ごとに異なる |
|
【筆者おすすめ】MIRI SLING スリング |
ナチュラルな着こなしにも使える |
新生児~15kg(2歳頃) |
リネン55%、コットン45% |
|
FILT トンガ・フィット ブラック S CRTG10101 |
フランス生まれのおしゃれな抱っこ紐 |
生後7か月頃から・15kgまで |
綿100% |
|
Mughart ベビースリング |
幼児期の「ちょっと抱っこ」をサポート |
生後6か月~48か月(6~20kg) |
綿100% |
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Sola スリング 高級しじら織り |
京都生まれのリングスリング |
生後5か月〜3歳・10kg |
綿(しじら) |
|
DAKKOLT(ダッコルト)ヒッコリー・ブルー |
ひとり歩きスタートの時期に、片手抱っこ用のスリング |
1歳〜4歳・18kgまで |
綿100% |
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