おいしい料理を作るキッチンは、主婦にとって大切な場所です。キッチン照明は明るすぎず・暗すぎず、調理がしやすいものを選びたいところ。電球の色や明るさに加えデザインにもこだわって選ぶと、キッチンがおしゃれで居心地のよい空間になります。

今回は、シーリング・ペンダント・スポットライト・手元灯などキッチン照明器具の特徴と、色・明るさの失敗しない選び方をご紹介します。おしゃれなおすすめ商品も厳選したので、新築やリホーム時だけでなく、インテリアにあう照明に交換したい方もぜひ参考にしてください。

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キッチン照明の役割

キッチン照明の役割は、手元を照らして安全に調理を行える環境を整えることです。刃物や火を使い、細かい作業も多いキッチンの照明は、安全面で大切な役割を担っています。

もう1点、フルオープンタイプのカウンターキッチンやアイランドキッチンのように対面式だったり、壁付けでもダイニングやリビングからキッチンが見える間取りだったりする場合、照明器具もインテリアの一部として活躍します。

キッチンが見える間取りでない場合も、おしゃれなキッチン照明が居心地のよい空間を演出。毎日の調理が楽しくなります。

キッチン照明の種類

キッチン向きの照明器具は、大きく分けて7種類あります。それぞれの特徴をご紹介します。

ベースライト

ベースライトは、天井に直付けするタイプです。オフィスでも見かける細長い形状が主流で、キッチンの間取りにぴったりあいます。

高い位置からキッチン全体を広く照らせるのがメリットですが、系統配線を直接照明器具に接続するため自分で取り付けることはできません。蛍光灯を交換して色や明るさを変えることは可能です。

シーリングライト

シーリングライトは、天井に直付けされている丸型や角型の引っ掛けシーリングに照明器具をセットして使います。ベースライト同様にキッチン全体を照らせ、照明器具の取り付けが簡単で、多くの住宅で用いられているタイプです。

長方形や丸、スクエア型などの形状や大きさがいろいろあり、デザインが豊富です。ジャンデリアのように凝ったデザインのものは、掃除が大変な場合があります。

スポットライト

スポットライトは、ピンポイントで特定の場所を明るく照らす照明器具です。キッチン全体を照らすのには向きませんが、手元に向ければよく見えて作業効率が上がります。

ダクトレール（ライティングレール）を使うタイプは、スポットライトを追加したり、照らす位置や間隔を変更したり自由にレイアウトできます。ダクトレールの取り付けは電気工事士に依頼するのが基本ですが、引っ掛けシーリングに取り付けられるものもあります。

1灯が小さいので、キッチンのコンセントを利用してブラケットライトのように壁付けできるタイプもあります。ほかにも、クリップタイプや配線不要のマグネット、置くだけのスタンドタイプなどが販売されています。

シンプルなデザインが多く、スタイリッシュなキッチンを演出。壁に光を当てて、間接照明として使うのもおしゃれです。

ペンダントライト

ペンダントライトは、天井から吊り下げるタイプです。多くが引っ掛けシーリングに対応していて取り付けが簡単。シェードまでの配線コードの長さ調節ができ、キッチンの広さや天井の高さにあわせられます。

設置する高さやシェードの形状によって、同じワット数の電球でも明るさの感じ方を変えられるのもメリットです。照らせる範囲が限られてしまう場合は、明るさを補うためにダウンライトやスポットライトなどとの併用をおすすめします。

モダン・アンティーク・北欧風などデザインが多彩で、おしゃれなものがたくさん販売されているのも、ペンダントライトの魅力です。特に、ダイニングやリビングから見えるキッチン照明に向いています。

個性を出せるインテリアアイテムとして活躍するペンダントライト。ダクトレールを使って、レイアウトを楽しめるものあります。

ダウンライト

ダウンライトは天井に埋め込み、薄型で設置スペースを取らないため家電や吊戸棚の扉に当たるといったことがありません。見た目がすっきりしていて、掃除の手間が少ないのもメリットです。

数を調整すれば充分な明かりを取れますが、基本取り付け工事が必要です。

流し元灯

流し元灯は、キッチンライト・棚下灯・手元灯とも呼ばれます。眩しすぎず・暗すぎず、適度な照度で調理作業中の手元を照らすのが特徴です。デザイン性よりも、機能性が重視されています。

基本は電気工事士による取り付け工事が必要ですが、コンセントプラグ付きで棚下や壁に設置できるタイプもあります。キッチン台にコンセントがあれば、簡単に取り付けが可能です。

LEDバーライト

棒状のLEDバーライト（スティックライト）も、流し元灯として活躍します。LEDを使っているため消費電力が少なく、長寿命の点がメリットです。

明かりを何色にも変えられる調色機能や、明るさを変えられる調光機能、人感センサーやUSB給電、リモコン操作など機能性に優れています。取り付けも、自分で簡単にできるものがあります。

キッチン照明の明るさと色

電球や蛍光灯の明るさと色も、キッチン照明を選ぶうえで失敗しないためのポイントです。暗すぎても明るすぎて眩しくても、食材が見えづらかったり不自然な色に見えたりして利便性が悪くなります。

電球・蛍光灯・LEDのランプタイプは照明器具のワット数が対応している範囲であとから交換できますが、LEDを内蔵したCOBタイプやモジュールタイプは照明器具ごと交換になるので特に慎重に選びましょう。

明るさの違い

明るさは、光源そのものの明るさである光束を示す、単位「lm（ルーメン）」が目安になります。

電球は消費電力量を表す「W（ワット）数」、蛍光灯はW数と「形」でも明るさを把握できます。しかし、省エネタイプの蛍光灯やLEDの登場以来、ルーメンが明るさの目安として採用されています。

電球と蛍光灯は、同じW数や形でも種類によってルーメン数が異なります。キッチン照明で採用されやすい、一般電球・ボール形電球・電球形蛍光灯・直管形蛍光灯のルーメン数を、一般社団法人 日本照明工業会の資料を基にまとめてみました。

一般的にしっかり明るさを確保したい場合は、畳数×400lm程度が適しているといわれています。

例えば、3畳のキッチンでは1200lm程度の照明を選ぶと、暗いといった失敗がありません。ダウンライト＋ペンダントライトなど、複数組み合わせる際にも把握しやすいです。

明るさは照明器具のデザインも関係する

キッチン照明の明るさは、ルーメンに加え照明器具のデザインや素材でも変わってきます。

例えば丸くて透明なガラスシェードのペンダントライトと、黒いスチールのカサがついたペンダントライトでは、同じルーメン数でも前者の方が明るく感じます。照明器具のデザインによって、光の漏れ方が異なるためです。

またルーメンは、電球と蛍光灯はランプの光束、LEDは照明器具を含めた光束で表示されることもあります。そのため、光に照らされた面の明るさである照度の、単位「lx（ルクス）」を参考に選ぶのもおすすめです。

JIS Z9110 照度基準では、全体の照度は100lx程度、調理台など作業面の照度は300～500lx程度が作業しやすいとあります。しかし、取付位置によって変わるためか、ルクス表記のある照明器具はあまり見受けられません。

照明器具に、おすすめの畳数表示があれば照度の目安になります。例えば「～8畳」では、8畳の部屋の中央に天井直付けで1灯設置した場合、平均照度は約100lxです。天井から40cm吊り下げて設置すると、さらに10%ほど明るくなります。

色温度の違い

光源の色もLEDの登場以来、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色ではなく、光色を数字にした色温度・単位「K（ケルビン）」で表されることが多くなりました。

色温度の数値が低いほどオレンジがかった温かみのある色で、数値が高いほど青白い色になります。例えば、夕日は2300K以下、晴天の正午の太陽光は7000K以上の色温度といわれています。

キッチン全体は、リビングやダイニングの色温度にあわせると、統一感のあるインテリアになります。手元灯は、5000～6000Kが見やすくておすすめです。

適度な明るさに加え、眩しさを抑えるグレアカットの照明器具を使うと作業がしやすいです。光源が直接視界に入らないような工夫が施されています。

スイッチも不快さを軽減します。人感センサーで自動的オン・オフするタッチレスタイプは、スイッチ操作のたびに濡れている手を拭く必要がないのでわずらわしさがありません。また、スイッチを照明器具ごとに分けておくと、照らしたい箇所だけ点灯できて夜間使用時に眩しさを抑えられます。

見え方の違い

色温度とは別に、演色性も見え方を左右します。演色性が高いほど食材そのままの色で見えるので、キッチン照明を選ぶときには大切なポイントです。

演色性区分は普通形とクラス1～クラス4の高演色形があり、調理台はJISの区分でクラス1に分類されています。試験色の8色「Ra」における平均演色評価数の最低値は、Ra80です。

因みにコミュニケーションをとる食卓や居間は、調理台よりも高いクラス2に分類されています。8色以外に日本人の肌色「R15」も加わり、最低値はRa90かつR15が85以上です。

最後に、キッチン照明を取り付けるときは火元の近くを避けて、照明器具に水がはねない位置にしましょう。

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