〈プロ解説〉石油ストーブおすすめ11選 選び方やおしゃれなモデルも紹介
石油(灯油)を燃焼させて部屋を暖める「石油ストーブ」は、寒さ対策として有効な暖房器具のひとつです。電気ストーブや石油・ガスファンヒーターなどと違って電気を使わないため、冬のキャンプや災害時にも役立ちます。
商品によって、対流式、反射式といった違いがあり、どれを選べば良いのか迷うことでしょう。そこで、今回は石油ストーブの選び方やおすすめ商品について詳しく解説します。
目次
まずは、筆者が選ぶ石油ストーブ4選
おすすめポイント
暖房出力は2.50〜1.25kWで、木造7畳まで、コンクリート9畳までが目安の対流式です。一般的な石油ストーブに比べて火力調節幅が100〜50%と広いため、室温に応じて火力を細かく調節できます。ガラスに特殊なレインボー加工が施され、燃焼中は炎が7色に浮かび上がるのが特徴です。その明るさは40Wの白熱電球に相当するとのこと。やさしい光は災害時の室内照明としても活用できます。タンク一体型のため給油しにくいですが、ニオイを防ぐ「ニオイセーブ消火」機能や、地震や強い衝撃を受けたときに作動する「対震自動消火装置」を搭載しているのがポイントです。
おすすめポイント
暖房出力は2.87〜2.15kWで、木造8畳まで、コンクリート10畳までが目安の反射式です。火力調節幅は100〜75%。ダイヤルを回すだけで簡単に調節できます。触媒防臭装置で燃焼中や消火時に発生するイヤなニオイを抑える「触媒燃焼においとり」機能や、未燃焼ガスを燃やしきる「ニオイカット消火」機能を搭載。ほかにも、タンクの開け閉めがワンタッチで済む「よごれま栓」を採用し、手を汚さず簡単に給油ができます。
▼「よごれま栓」を紹介する公式動画がこちら
おすすめポイント
インテリアになじむレトロなデザインがおしゃれ。遠赤外線炎筒の対流式で、部屋全体をしっかり暖めます。吹き抜けなどの広い空間にぴったりな17畳用です。13畳用もあるので、部屋の広さにあわせて選べます。点火レバーは視認性の高いオレンジ色なのが特徴です。対震自動消火装置も備え、安全性を高めています。
おすすめポイント
暖房出力は2.80〜1.96kWで、木造8畳まで、コンクリート10畳までが目安の反射式です。コンパクトな家庭用モデルでは珍しい切タイマー機能を搭載し、最大8時間後まで設定できます。安全面では、燃焼中に給油タンクを持ち上げると自動的に消火する「給油時自動消火」機能、地震や強い衝撃を受けたときに作動する「対震自動消火装置」を備えています。
石油ストーブを選ぶポイント
石油ストーブのメリット・デメリット
ポイント解説
まずは、石油ストーブのメリット・デメリットについて解説します。
メリット|音が静か、電源不要で緊急時にも活躍
石油ストーブはファンを搭載していないため、ほとんど動作音がしません。空気の自然な対流や輻射熱(赤外線)によって、ゆっくりと熱を伝えます。
コンセントにつなぐ必要がないので、屋内・屋外を問わず、どこでも使えるのが魅力です。キャンプなどのアウトドアでも使えるほか、災害や停電といった緊急時にも活躍します。
デメリット|給油と換気の手間がかかる
石油ストーブは灯油を燃料に使うので、灯油の備蓄や給油が必要になります。
また、灯油を燃焼させるため、1時間に1〜2回(1回1〜2分)程度の換気が必要です。換気が不十分だと室内の酸素が減少し、不完全燃焼による一酸化炭素中毒に陥る危険性があります。
石油ファンヒーターとの違いは「送風機能」
石油ファンヒーターのイメージ
石油ストーブと石油ファンヒーターの違いは「送風機能」にあります。石油ファンヒーターは、電気で動く送風ファンを搭載していて、石油が燃焼した際の熱を送風ファンで送り出す仕組みです。温風を吹き出すので、素早く部屋を暖めるのに向いています。
燃料に灯油を使う点は共通していますが、石油ファンヒーターは電気がなければ使えません。
選び方① 対流式は広い部屋、反射式は狭い部屋向き
ポイント解説
石油ストーブの種類は、大きく対流式、反射式の2つに分かれます。部屋全体を暖めたいのか、前方を集中的に暖めたいのか、使う目的や設置場所にあわせて選ぶといいでしょう。
熱の伝わり方には、太陽光のように熱源からの熱が直接電磁波によって届く「輻射(放射)」と、物と物が接触することで伝わる「伝導」、空気の流れによって伝わる「対流」の3パターンがあります。
対流式 石油ストーブのイメージ
対流式は円筒形に近い形をしていて、石油の燃焼によって熱せられた空気が上昇し「対流」することで、部屋全体を暖める仕組みです。
室内の空気を自然対流によってかき混ぜて暖めるため、部屋の中央に設置すると効果的で、広い部屋に適しています。
反射式 石油ストーブのイメージ
反射式は、筒型の燃焼部の奥に反射板を設置することで熱を反射させ、「輻射」によって本体前方を中心に暖める仕組みです。背面に熱が伝わりにくいため、壁際に設置しやすく、狭い部屋に向いています。
選び方② 暖房出力(適用畳数)をチェック
エアコンなどと同様に、石油ストーブの仕様には、暖める部屋の広さに応じた能力の目安となる暖房出力が示されています。これは「2.2kW」のように表記されていて、単位はkW(キロワット)です。
また、製品の仕様を見ると、「木造(戸建)6畳まで、コンクリート(集合)8畳まで」といった適用畳数が表記されているので、参考にするといいでしょう。
暖房出力の目安は以下の通りです。
部屋の広さ |
温暖地(木造/コンクリート) |
寒冷地(木造/コンクリート) |
---|---|---|
6畳 |
2.4/1.7kW |
2.4/1.5kW |
8畳 |
3.2/2.3kW |
3.1/2.0kW |
10畳 |
4.0/2.9kW |
3.9/2.5kW |
12畳 |
4.8/3.5kW |
4.7/3.0kW |
14畳 |
5.6/4.0kW |
5.5/3.4kW |
16畳 |
6.4/4.6kW |
6.3/3.9kW |
※「温暖地」とは室内外温度差が15℃の地域(東京、大阪なと)を指し、「寒冷地」とは、室内外温度差が30℃以上の地域(札幌など)を指します。
出典:ストーブ・ファンヒーターと暖房のめやす(日本ガス石油機器工業会)
選び方③ 火力調節できると、より便利
石油ストーブはエアコンと違い、暖房出力を上げたり下げたりといった調節がほとんどできません。そのため、部屋の広さや断熱性能の高さによっては、寒さを感じたり、逆に暖まりすぎたりすることもあります。なるべく使う部屋の広さと適用畳数に開きがないモデルを選びましょう。
また、火力が一定で調節できない製品と、ある程度柔軟に調節できる製品があります。室温に応じて火力を変えられると、消したり点けたりする必要がなく便利です。
選び方④ 給油タンクは取り外せるほうがラク
給油タンクの容量は製品によって異なります。容量が大きいほど本体サイズも大きくなるため、設置スペースは必要になりますが、給油の回数を減らせる点が便利です。
反射式はタンクが取り外しできる製品が多く、対流式はタンクが取り外せない一体型の製品が多い傾向があります。
タンクを取り外せると給油しやすいのですが、タンク一体型の場合は、給油時にポリタンクもしくは石油ストーブ本体を持ち運ぶ必要があります。購入の際は、給油のしやすさにも注意して選びましょう。
ポイント解説
そのほか、あると便利な機能として、消火時の不完全燃焼を防いでニオイを抑える消臭機能や、一定時間後に消火する切タイマー機能などがあります。快適性・安全性に優れているか、しっかり吟味して選ぶのがおすすめです。
【編集部PICK UP】石油ストーブ、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある石油ストーブの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
種類 |
暖房出力 |
タンク容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】 トヨトミ 石油ストーブ RB-25M |
100~50%の出力調節が可能 |
幅38.8×奥行38.8×高さ47.45cm(置台を含む) |
6.2kg |
対流式 |
2.50〜1.25kW |
4.9L |
|
【筆者おすすめ】 コロナ ポータブル石油ストーブ SX-E2922Y |
トリプル消臭でニオイを軽減 |
幅45.2×奥行32.4×高さ51cm |
8.4kg |
反射式 |
2.87〜2.15kW |
4.0L |
|
【筆者おすすめ】 コロナ 石油ストーブ SL-6622 |
ホワイトフレームのレトロスタイル |
幅46×奥行46×高さ59.8cm |
11.2kg |
対流式 |
6.59kW |
7.0L |
|
【筆者おすすめ】 日本エー・アイ・シー Aladdin AKP-U289 |
就寝時に便利な切タイマー機能を搭載 |
幅34.5×奥行32.7×高さ49.6cm |
約7.6kg |
反射式 |
2.80〜1.96kW |
4.0L |
|
コロナ SX-E3523WY |
電子点火でヒーター切れの心配なし |
幅618×奥行324×高さ467mm |
9.8kg |
反射式 |
3.47~2.42kw |
5L |
|
アラジン BF3911 |
青い炎で視覚的にも癒される |
幅388×奥行405×高さ551mm |
8.5kg |
対流式 |
2.68kw/h |
4.1L |
|
アラジン AKP-U2801 |
消し忘れを防ぐ自動消火タイマー内蔵 |
幅345×奥行327×高さ496mm |
約7.6kg |
反射式 |
2.8~1.96kw |
4.0L |
|
トヨトミ RC-W36N |
2層構造でクリーンな排気 |
幅562×奥行279×高さ454.5mm |
約10kg |
反射式 |
3.60~2.16kW |
4L |
|
トヨトミ 対流形ストーブ KS-67H |
ツマミを回して一発点火 |
幅48.2×奥行48.2×高さ58.3cm |
11kg |
対流式 |
6.66kW |
6.3L |
|
トヨトミ RS-H29N |
持ち運びに便利なハンドル付き |
幅312×奥行356×高さ460mm |
約7.5kg |
反射式 |
2.87~2.44kW |
3.6L |
|
トヨトミ RL-25N |
七色の炎で部屋を暖める |
幅388×奥行388×高さ485.7mm |
約6.2kg |
対流式 |
2.50~1.25kW |
4.9L |
石油ストーブの人気売れ筋ランキング
関連記事はこちら
達人に聞くの記事はこちら
-
LINEの友達登録をお願いします!
LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!
XでMoovooをフォロー!
Follow @moovoo_