〈プロ監修〉電子レンジおすすめ14選 一人暮らしから家族向けまで紹介
生活に欠かせない家電のひとつが電子レンジ。即席料理から料理のレパートリーを増やしたい方にも役立つアイテムです。
ひと口に電子レンジといっても、もっともシンプルな単機能レンジ以外に、オーブンレンジやスチームオーブンレンジ、過熱水蒸気オーブンレンジなどさまざま。
また、機能のほかに、一人暮らしか家族で使うかによってサイズ選びも重要です。価格は、1万円以下からのものから10万円以上する高機能モデルもあり、便利に長く使える商品を選びたいところです。
そこで、数々の家電製品をレビューされている家電ライターの倉本 春さんに監修いただき、電子レンジの選び方やおすすめ商品について解説します。
目次
▼ キッチン家電の役立つ情報を紹介
まずはプロおすすめ、電子レンジ4商品
倉本 春さんのおすすめポイント
時短ブーストモードという機能を搭載しています。「500Wで3分」と記載されたコンビニ弁当などを900W換算で温めてくれる機能で、時短になり便利です。惣菜を頻繁に購入する方にもおすすめです。レンジとオーブンに加えてグリル機能も搭載しています。
倉本 春さんのおすすめポイント
「電子レンジで食材の中心を温め、最後にグリルで表面をパリッと仕上げる」といった一連の作業を自動化してくれる製品です。5万円前後する高価格帯の電子レンジですが、仕上がりにこだわる方におすすめです。
- シャープ
-
ヘルシオ グリエレンジ AX-HR2
-
販売終了
後継モデルは「AX-GR2」 -
過熱水蒸気でおいしくヘルシーに調理
倉本 春さんのおすすめポイント
過熱水蒸気トースターにレンジ機能を搭載した異色の製品です。庫内容量はトースターサイズなので、庫内をあっという間に温められます。しかも、ヘルシオシリーズなので「水で焼く」機能には定評あり。過熱水蒸気調理をする場合、他社製品では電子レンジやオーブンを併用するのですが、シャープのヘルシオシリーズは水蒸気だけで加熱調理できる国内ではほぼ唯一の過熱水蒸気調理器です。機能面では自信を持っておすすめできますが、5万円を超える高価格帯の商品なので、過熱水蒸気調理を本格的にしたい方はぜひ検討してみてください。
- ハイアール
-
オーブンレンジ スチーム(角皿カップ式)JM-KNFVH25B
- 販売終了
-
24種類のオートメニューや本格オーブン機能を搭載
倉本 春さんのおすすめポイント
実勢価格2万円前後ながら最大1,000Wまで熱することができます。(自動メニュー時のみで最大2分、手動選択は800Wまで)250℃までのオーブン機能とグリル機能、発酵機能も搭載したコストパフォーマンスの良い製品です。スチーム機能も搭載し、自動メニューに茶碗蒸しやプリンなども用意されてるのもポイントですね。
電子レンジの選び方、4タイプを解説
電子レンジは4タイプに分かれ、それぞれ特徴的な機能に違いがあります。用途に合わせて必要な機能を備えたタイプを選択しましょう。
単機能レンジ|機能はシンプル、操作も簡単
「食品を温められれば十分」という方は機能がシンプルで価格が安いものが多いこちらのタイプがおすすめ。
お弁当や冷凍食品を温めるだけでなく、かぼちゃ・人参などの野菜を温めて柔らかくすることで調理の時短にもなります。数千円から購入できて複雑な操作も必要としません。
出力ワット数や温め時間も食品に合わせてボタンひとつで設定できるモデルなら、さらにお手軽です。
倉本 春さんのアドバイス
購入時に注意したいのが、対応する「周波数」です。西日本は60Hz、東日本は50Hzの周波数で送電されているため、居住地域に合わせて製品を選択する必要があります。両方の周波数に対応した「ヘルツフリー」の電子レンジが一般的ですが、1万円以下の格安製品では対応する周波数が固定されたものが多いので、引っ越しの多い方などは特に注意した方が良いでしょう。
オーブンレンジ|「焼く」に対応、調理の幅が広がる
一般的なモデルでも価格が1万円以上するため、単機能レンジより高めですが、電子レンジが「内側から焼き目をつけずに温める」のに対し、ヒーターの熱による加熱ができるのが魅力です。パンや肉を焼いたり、グラタンやクッキーに焼き目をつけたりといったことができます。
オーブンレンジの「焼く」機能には「コンベクション」や「グリル」があります。
コンベクション調理とは?
ヒーターの熱を庫内に風で循環させるオーブン機能、食品を包み込むように加熱するのが特徴です。
焼きムラを抑えて、中までしっかり火を通したい調理に向いています。多くのオーブンレンジに搭載されています。
グリル調理とは?
庫内上部に搭載したヒーターの熱で直火調理する機能です。素早く焼き目をつけたり、食材表面をパリッと香ばしく仕上げることができます。
高機能なオーブンレンジでは、コンベクション機能とグリル機能を併用することが可能です。
スチームオーブンレンジ|蒸し料理にも対応
倉本 春さんの解説
高機能タイプの電子レンジには「スチーム」や「過熱水蒸気」機能を搭載しているものがあります。どちらも水を使った調理方法ですが、「スチーム」機能では100℃以下の温度帯で調理する蒸し調理に対応しています。
水蒸気を利用することで食材をムラなく加熱することができます。100℃以下の温度で一定に保つことにより、温度管理の難しい調理が手軽にできます。
過熱水蒸気搭載オーブンレンジ|食材をヘルシーに
倉本 春さんの解説
過熱水蒸気調理は100℃以上の温度帯の蒸気で食材を「水で焼く」調理方法です。高温の蒸気により熱効率よく加熱することで、食材の余分な脂や塩分などを落としながら調理できるのが特徴です。
過熱水蒸気調理については、アイリスオーヤマの公式動画が参考になります。動画では水タンクを使用していますが、調理する度に水を入れたカップを庫内に入れるタイプもあり、機種によって仕様に違いがあります。
自分に合った電子レンジを選ぶポイント
一人暮らし用からファミリー向けまで、低価格帯の電子レンジの中から自分に合った商品を選ぶポイントをご紹介します。
サイズ|庫内容量は人数に合わせて選ぶ
電子レンジは何人分の料理を調理するかによって20L以下から30L以上のモデルまでさまざまです。また、大きめのピザを調理したい場合は幅にも注意した方が良いでしょう。
20L以下|一人暮らしにもぴったり
一人暮らしの方や、一度に調理する量が少ない方は20L以下のサイズでも十分に実用的です。マグカップやコンビニ弁当、冷凍食品なども温めることができます。
電子レンジ本体のサイズもコンパクトなものが多く、設置しやすさもポイントです。
20~25L|2人分ならこのサイズ
夫婦やルームシェアなどで2人分の食事を一度に温めるのに適したサイズです。祖父母と同居しているような大家族でも、それぞれの食事の時間が異なればこちらのサイズでも十分な場合があります。生活スタイルもサイズを選ぶうえで重要です。
26L~29L|3〜4人分を一度に
一度に3人〜4人分の調理をするならこちらのサイズがおすすめ。たくさんの食品が温められるので、朝食からお弁当の用意まで忙しい朝に時短調理ができます。
大きめサイズは調理できる食材や料理の幅も広げてくれることでしょう。
30L以上|4人分以上にも対応
庫内が広く、子供の誕生日会やホームパーティでも活躍。一度に温められる食品や料理が多く、電気代や時間の節約にも。本体サイズが大きくなるので、設置スペースを確認してから購入しましょう。
手入れのしやすさ|お皿を乗せるテーブルをチェック
電子レンジには温める際にお皿を乗せて回転させる「ターンテーブル」付きと、床面に直接お皿を置く「フラットテーブル」の2種類があります。
フラットテーブル式|庫内の掃除がラク
床面にターンテーブルなどがなく、スッキリとした庫内で掃除がしやすいのが特徴的。フラットテーブル式はマイクロ波を発生させるアンテナ側を内部で動かし、さらにマイクロ波を乱反射させて食材を温めるため、熱ムラができにくいのも大きなメリットです。
日々の手入れはラクですが、価格帯がターンテーブル式よりも高めなので、メリットとデメリットを考えて検討しましょう。
倉本 春さんのアドバイス
ターンテーブル式は基本的な温めや解凍には不自由なく使えますが、フラットテーブル式と比較して熱ムラが出やすいというデメリットがあります。また、ターンテーブルがある分、高さが狭くなるので庫内ギリギリの大きさの食材は温められません。一方で、ターンテーブル式には、取り外して水で丸洗いできる清潔性の高さに魅力を感じるユーザーが多くいます。
調理がより楽しくなる便利な機能
機能がシンプルな電子レンジは料理に合わせて設定を行う必要がありますが、電子レンジの中にはオートで調理方法を判断してくれるモデルもあります。手間を減らして手軽に扱える便利な機能をご紹介します。
センサー機能
赤外線や湿度質量センサーなど複数のセンサーにより食材に合った最適な調理をしてくれるモデルがあります。センサーの種類が多いほど価格は高めですが、調理設定を任せられるので便利です。
赤外線センサー
食材を温める時に放出される赤外線を感知し、表面温度を測って加熱時間や温度を調整します。上位モデルに搭載されていることが多いセンサーですが、1万5千円前後のモデルから搭載されています。
温度センサー
電子レンジ内の温度を感知して適切な加熱をするための機能です。揚げ物やグリル調理で食材に均等に熱を入れるために役立ちます。
重量センサー
ターンテーブルに乗っている総重量で加熱する度合いを調整。解凍時は重い耐熱ボウルなどに入れると温め過ぎてしまうことがあるので注意です。軽い容器を使うかレンジ対応のラップに包んで使用しましょう。
湿度センサー(蒸気センサー)
加熱時に食品から発生する蒸気の量を感知するセンサーです。1万5千円前後から機能を搭載したモデルが購入できます。
倉本 春さんのアドバイス
温度センサーや湿度センサーは食材にラップをかけると温度を正確にセンシングできず、加熱し過ぎる場合があるので注意です。
解凍機能
自然解凍だと数時間かかってしまうところを、数分で解凍できます。お得用の肉や魚を購入して冷凍したい方も、調理時にストレスなく解凍できるのでおすすめです。
切りやすい程度に解凍する半解凍機能があるとさらに便利!生肉や生魚など、常温だと切りにくい食材も半解凍の状態だとサクサク切れます。
オートメニュー機能
中に入れた食品を電子レンジに入力するだけで自動で最適な調理をしてくれる便利な機能です。出力ワット数や調理時間に悩むことなく、簡単に操作できるのが嬉しいポイント。
オートメニュー機能を搭載したモデルは1万円以上するものが多いですが、忙しい時間でも迷わず一手間で設定できるのは大きな魅力です。
脱臭機能
レンジ内で空焼きを行うことで、ニオイの原因となる油などを焼き切って脱臭する機能です。庫内のニオイが食品に移るのを防いでくれます。空焼き時に焦げ臭かったり煙が出たりするので、必ず換気をしながら行ってください。
ノンフライ機能
レンジ内にファンを搭載し、庫内の熱を対流させるコンベクション機能を搭載したモデルがあります。高温の熱を均一に食材に当てることで、油を使わずにサクッとした食感の揚げ物ができます。ヘルシーに仕上がるのでカロリーを気にしている方におすすめです。
アイリスオーヤマの公式動画では電子レンジではありませんが、コンベクションオーブンを使った調理が紹介されていますので、ノンフライ機能の参考にしてみてください。
2段調理
備え付けの黒皿(角皿)を使い、上段と下段の2段で調理ができる機種があります。一度に大量の調理ができるので、イベント用のお菓子作りやホームパーティなどにもおすすめ。
違う2品を同時調理することも可能で、時短調理にぴったり。ほとんどの角皿はオーブン機能専用でレンジ機能に対応していないことが多いので、確認をして使いましょう。
見落としがち! 購入前に注目すべきポイント
ここまで選び方や機能について紹介しましたが、より使い勝手の良い電子レンジを選ぶために注目したいポイントをご紹介します。
出力ワット数の調整幅
200W程度の弱い出力ワットは食品の解凍に適しています。500W〜600Wだとチルド商品や冷凍食品の温めに向いています。1,000Wは短時間で温められるので、時間がない時に便利です。
このように出力ワット数の幅が広いと利用シーンにあわせた活用ができるのでおすすめです。
扉の開き方
電子レンジの扉には横と縦の2種類の開閉向きがあるので、設置場所や利き手などに合わせて使いやすいタイプを選びましょう。
縦開きのメリット
扉を開けた時に、扉の裏面に熱い食品を一時的に乗せられます。また、利き手に関係なく開けやすいのもポイントです。
横開きのメリット
縦開きよりも扉の可動域が広いため、電子レンジの前に広いスペースがないと食品の出し入れが窮屈になります。一方で高い位置に設置しても扉が開けやすく、食品の出し入れもしやすいのはメリットです。
〈編集部PICK UP〉電子レンジ、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある電子レンジの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
単機能電子レンジのおすすめ4選
オーブンレンジのおすすめ6選
外観 |
商品名 |
特長 |
本体サイズ |
重さ |
庫内容量 |
出力ワット(手動選択) |
定格周波数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【監修者おすすめ】 アイリスオーヤマ スチームオーブンレンジ 18L MO-F1808 |
20種類のオートメニュー、出力ワット数は900Wまで4段階 |
幅45.5×高さ33×奥行き37.5cm |
14kg |
約18L |
200W〜900W(4段階) |
50/60Hz |
|
【監修者おすすめ】 三菱電機 ZITANG レンジグリル RG-HS1 |
高い省エネ性能、操作を音声でナビゲートしてくれる機能も |
幅51.8×高さ26.6×奥行き44.3cm |
約16kg |
13L |
100W〜700W(5段階) |
50/60Hz |
|
【監修者おすすめ】 シャープ ヘルシオ グリエレンジ AX-HR2 |
過熱水蒸気でおいしくヘルシーに調理 |
幅47.0×高さ28.0×奥行き45.0cm |
約13kg |
8L |
200W〜600W(3段階) |
50/60Hz |
|
【監修者おすすめ】 ハイアール オーブンレンジ スチーム(角皿カップ式)JM-KNFVH25B |
24種類のオートメニューや本格オーブン機能を搭載 |
幅51.3×高さ33.3×奥行き44.6cm |
13.6kg |
25L |
300W〜800W(4段階) |
50/60Hz |
|
東芝(TOSHIBA) 単機能レンジ ER-S17Y |
最大900Wの高出力で、すばやくあたため |
幅45.8×奥行き35.4×高さ28.1cm |
約10kg |
17L |
900W・600W・500W・200W |
50/60Hz共用 |
|
アイリスオーヤマ 電子レンジ IMB-F2202 |
22Lの広々庫内、大きなお弁当も余裕で入る |
幅49.5×奥行36.5×高さ30.2cm |
約9.6kg |
約22L |
900W・600W・500W・200W |
50/60Hz共用 |
|
パナソニック(Panasonic) 電子レンジ NE-FL1A |
マイクロ波をかくはんし、ムラを抑えて解凍 |
幅48.8×奥行38×高さ29.8cm |
9.5kg |
22L |
600W・500W・150W |
50/60Hz共用 |
|
日立(HITACHI) 電子レンジ HMR-FT19A |
3段階の仕上がりが選べる、3種の自動メニュー |
幅46.9×奥行34.7×高さ29.6cm |
約9.0kg |
19L |
600W・500W・200W相当・100W相当 |
50/60Hz共用 |
|
シャープ 過熱水蒸気オーブンレンジ RE-WF232 |
シンプルで使いやすく、コンパクトに設置可能 |
幅46.8×奥行38.4×高さ33.8cm |
約16kg |
23L |
900W・600W・500W・200W |
50/60Hz共用 |
|
日立(HITACHI) ヘルシーシェフ MRO-S7A |
食品の重さに合わせて、オートでおまかせ調理 |
幅48.3×奥行43.3×高さ34cm(ハンドル含む) |
約13.5kg |
22L |
800W・600W・500W・200W相当・100W相当 |
50/60Hz共用 |
|
パナソニック(Panasonic) オーブンレンジ NE-MS4B |
すばやくあたためられるスピード機能を搭載 |
幅50×奥行40×高さ34.7cm(ハンドル除く) |
記載未確認 |
26L |
800W・600W・500W・300W・150W相当 |
50/60Hz共用 |
|
パナソニック(Panasonic) オーブンレンジ ビストロ NE-BS5C |
定番メニューがボタンひとつで両面こんがり |
幅47×奥行39×高さ35cm(ハンドル除く) |
14.7kg |
26L |
1000W・600W・500W・300W・150W相当 |
50/60Hz共用 |
|
象印マホービン(ZOJIRUSHI) EVERINO ES-GW26 |
おいしく時短調理、レンジとグリルの合わせ技 |
幅48.7×奥行39.9×高さ37cm |
約17.5kg |
26L |
1000W・600W・500W・300W・150W |
50/60Hz共用 |
|
東芝(TOSHIBA) 石窯ドーム ER-D3000A |
300度の高火力で本格オーブン料理が楽しめる |
幅49.8×奥行39.9×高さ39.6cm |
約20kg |
30L |
1000W・600W・500W・200W相当・150W相当 |
50/60Hz共用 |
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まとめ
電子レンジを快適に使い続けるには日々のお手入れも重要です。庫内に臭いが残っていると、別の料理へ臭いがうつることがあるので注意しましょう。
倉本 春さんのアドバイス
庫内の汚れがひどくなると、電子レンジ加熱中に火事になる危険もあります。安全性の面からも掃除は重要です。
汚れが気になったら、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」を水に溶かして庫内を拭き掃除をするのがおすすめです。水に溶かした液を温めて水蒸気を充満させると、汚れが浮いて落としやすくなります。家庭にあるものだと、レモンやお酢を使っての拭き掃除もいいですね。
今回ご紹介した選び方やおすすめ商品などから、自分の生活スタイルにぴったりの電子レンジをぜひ選んでみてください。
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